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心に染み入る言葉 「東洋人は、いつも死を小鳥のように肩に乗せている」~「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボム

生活が良くなったと実感することのひとつは、インターネット。

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私は今、誰かが動画投稿サイトに投稿してくれたラジオ音声をMP-3としてSDカードに保存し、作業をしながらMP-3プレイヤーで、この音声を聴くことにはまっています。

今、聴いているのは文化放送の「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」。
タイトルのごとく、武田氏が読んだ本を自分なりに解釈して伝えてくれるというもの。
私は海援隊のコンサートも何度か参加したことがあるのですが、武田氏の「語り」は絶妙で、そのトーンの強弱といい、語り口といい、まさにひき込まれます。

この日聴いたのは、ミッチ・アルボム著 「モリー先生と火曜日」の中の「東洋人は、いつも死を小鳥のように肩に乗せている」というようなもの。

この言葉に関して、ある方が、これは映像版に対してなのですが、非常によい感想を投稿してくれているので引用させていただきます。

人生のコーチが死ぬ前に教えてくれた、
いちばん大切なこと…
スポーツコラムニストとして活躍する
ミッチ・オルポムは、偶然テレビで大学時代の恩師モリー教授の姿を見る。
モリーは難病であるALSに侵されている事を、ミッチは知る。
仕事が忙しく多忙なミッチだが、何故かモリー先生の事が気になり、仕事もすっ飛ばし、16年振りにボストンに住むモリー先生に会いに行く。
そしてモリー先生の研究室に毎週火曜日に通っていた頃のように、モリー先生の家へと通うようになり、ミッチは自分が逃げていることと向き合うようになっていく…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
この作品は、名優ジャック・レモンの遺作となった作品。
見終わった後に色々考えさせられる作品で、凄い良かった!
ミッチはスポーツコラムニストとして、成功、恋人のジャニーもおり、良い人生を送っている。
そんな中で、難病に侵されてはいるが、元気そうな恩師の姿をテレビで観る。
何故か頭から離れない…
何故だろう?
気がつくと仕事をすっぽかしボストン行きの飛行機の中に…
ミッチは、順調な生活を送っていたが
上手くいかない恋人との関係、何故この仕事をやっているのだろう?という疑問などが心に引っ掛かっていて、その答えを求めモリー先生を訪ねさせたんだと思う。

卒業しても、顔を出すと約束していたのに16年も会いにいかなかったミッチをモリー先生は優しく迎えた。
最初の訪問では、自分の事を話せなかったミッチ。大学時代、毎週火曜日に通っていた頃のように、家を訪問するようになったミッチはモリー先生に色んな事を話すようになっていく…

この作品、心に突き刺さる"いい言葉"がたくさんある。

"死に方さえ分ければ生き方が分かる"とか、歳を重ねることを恐れるミッチに対して

"どんな時に年を恐れるのか?
それは人生に意味がない時だ"と諭す。

いちばん印象的だったのはミッチがモリー先生に死について質問したときの答え

"肩に鳥がいると思い毎日聞くんだ
「死ぬ日は今日か?」
「準備はいいか?」
「悔いのない人生か?」
「望む人間になれたか?」と
死ぬ覚悟が出来ていれば人生が変わる
だから、毎日聞くんだ「今日か」と
肩に鳥がいれば大切なことを後回しにしない"と

深い言葉だった…

モリー先生はミッチの前では、そんな風に語り、死を恐れず軽やかに人生を送っているように見せているが、ホントは夜眠りにつくことが怖く、自分の死にも恐れを持っている。
そして、その姿をジャック・レモンが見事に演じている…

ミッチがモリー先生にこんな質問をぶつけるシーンがある

"もし誰かが魔法をかけ、1日健康な体で過ごせるとしたら、なにをします?"と問うミッチに対し、モリー先生は

"甘いパンと紅茶の朝食
午前中は水泳
ランチは友人を招待する
そして公園を散歩し友人たちと話し、
友情を確かめ会う
夕食は好きな物を食べ、ステキなパートナーと疲れるまでダンスを踊る
そして家に帰り眠る"と答える。

普通の日々こそ尊いものだと言いたかったんだろうなぁ…

この作品、テレビ映画で劇場では公開がなかったらしい。
もうちょっとモリー先生やミッチのバックボーンを深く描いて、劇場で観て観たいなぁ…
でもきっと号泣だろうなぁ…

"死で人生は途切れるが絆は切れない"

ホントに名言のいっぱい詰まった良い作品でした。

このレビューでいい作品だと伝わるといいかなぁ…

フィルマークス映画より


武田氏いわく、例えば女房がどんなにまくしたててきても、「やがては死ぬのになぁ・・・」とふと心に思うと怒りもおさまるのだとか。それはちょっと冗談ぽい表現ですが、これは現代生活には非常に有効です。

例えば、ちょっとハンドルを握れば、みんなが躍起となって割り込んだり、信号無視したり。そういう状況に出くわしてイライラしたときに「そんなに急いでどこへ行くんだ?みんなやがて死ぬのに」とふと心の中で思えば、苛立ちもおさまるでしょう。
そして「さぁどうぞ」と譲ってあげるゆとりもできるでしょう。

何か他人から猛烈に批判されたり、追及などされたりした時も然りなのです。



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江島 達也/対州屋
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