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仕事をして対価を得るとは、究極には「ソリューション力」をいかに発揮するかなのである。しかし、根本が間違っているならば、発揮しようがない。
まず小中学校の「進路学習」では、「どんな仕事があるかな?」に始まり、「どんな仕事をしたいかな?」と続き、「どうやったら、なれるかな」で大体完結する。
それで高校進学などを考えるが、そんな都合よく流れる進路などはなく、地理的な事情や経済的な事情で、学校選択をし、進学をする。
しかし、その内道を半ば見失ってしまう。学校で課せられる膨大なことに毎日を忙殺されてしまうからだ。
結果、進学にしろ、就職にしろ長続きしない。当然のことだ。若者に問題があるわけでも何でもない。
◎働く=仕事をして対価を得る、とは「自分が持ちうる〔問題解決(ソリューション)力〕を、いかに発揮できるかなのである。
世の中のあらゆる人は、だれでも大小に関わらず「問題」を抱えている。また、大小に関わらない「望み」を持っている。
それを少しでも「実現」「実感」させることが、「対価」としての就業してお金を得るということなのだ。
長い年月を試験のための暗記学習に費やし、その後で職業ガイドや(時給いくら?)だとか(福利厚生は?)だけでは、正直なところ心配でたまらない。
その職場の実際の仕事で、「その人が持っているソリューション力が、発揮できるか?」がすっかり抜け落ちているから。
例えば、販売だけの仕事やベルトコンベアーで流れてくるような仕事であっても、必ず発揮されるべき「ソリューション」は存在する。それがかみ合ったときに、雇用側と就業者側がwinーwinとなる。
もう40年近く前のこと、大学のキャンパスを歩いていると、少し顔見知りぐらいの学生とすれ違った。
何を思ったのか、彼女は私に「読め!」とばかりに若者向けの自己啓発雑誌を渡して立ち去った。
その中には、色々な若者の自由な投稿があったが、こういうものがあった。
小学生の頃から家を助けるために新聞配達をしていたが、それが20代となった今でも職業となった。それでも、自分の中で様々なことを気がけて働いている。例えば、出会う人に気持ちのいい挨拶をするとか、雨の日はビニールに入れて配達するとか。
これがまさに周りとwinーwinになる「ソリューション力」である。
残念ながら、小学校でも中学校でも、こういう観点では進路学習はおこなわれてはいない。
また、大事なことだが、残念なことに巷には新卒学生を「賃金もやすいし、扱いやすい使い捨ての就業者」ぐらいにしか扱っていないような就業先が規模の大小に関わらず多い。
このような根本が間違っている職場では、自己のソリューション力は発揮しようがない。
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