#49新しい自分を発見するには
こんにちは、人馬交流分析士のりょーじ(@Horse Value)です。人馬交流分析って何?りょーじって誰?それをやって何になるの?という疑問への答えは#1をお読みください!
さて、#40ではH.O.R.S.E.理論と交流分析の関係のお話をしてきました。大まかにお話しすると、僕が馬との交流で得た気づきである「人間は本来H.O.R.S.E.だよね」という理論と交流分析の人間観がすごく似ているよ、というお話をしました。
※H.O.R.S.E.理論について詳しく知りたい方は、#7や#28、#29を読んでください!※交流分析って何?という人は#30~#39を読んでください!
とはいえ具体例を交えていかないと中々分からないと思いますので今回から、僕が学びを得た馬と人との交流を、交流分析を用いてより分かりやすく説明していきます。
今日のラインナップはこちら!
・本当の自分のことを誰も分かってくれない(#16)という悩み
・馬も5つの自我状態を持っている~どれもが本当の馬~
・交流分析における本当の自分
今回は、#16でお話しした僕と馬との心理的交流を取り上げていきたいと思います。これによって「体験→気づき」のプロセスがより鮮明になり、その時に僕が感じたことをより皆さんに分かりやすい形で説明できると思います!
早速行きましょう!
本当の自分のことを誰も分かってくれない
本当の自分のことを誰も分かっていない、という感覚を持つことは、2つのパターンでよくあると思います。良いことをしたつもりなのに理解されなかった、表面上良いことをしているけど実は本心では嫌だと思っている。
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どちらにしても周りが描く「イメージ」と自分の思う「自分」がズレているときにそういうことが起こります。
お悩みに関してもそういうギャップが生じたときに起こっているんだと思いますが、#16でもお話ししたように、どちらも「本当の自分」ですよ。というのが答えです。
#35で自分の自我状態を知るには、自分の感情を見つめることと、他者にどう見えているか2つの合わせ技が必要だというお話をしました。つまり、自分の感情を見つめただけの自分は自分の1つの側面でしかないんです。
心理学の有名な理論に「ジョハリの窓」というものがあります。この4つの窓全てが「自己」であるとしているのですが、ここで注目してほしいのは「自分の知らない自分」も「自己」の一部であるということです。
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今までお話してきたような「自分の思っている自分(本当の自分と呼ばれるもの)」と「誰かが見ている自分」にギャップがあるという状態はオレンジの窓とミドリの窓でのギャップです。
こう見るとそこにギャップがあることは当たり前のように思います。そのギャップを埋めるために自己開示をしてフィードバックをもらおう、というのがジョハリの窓の理論でそれはとても正しいのですが、今ここで注目したいのは全てが自分の一部であることは間違いないということです。
どれもが本当の自分なのです。
馬も5つの自我状態を持っている
さて、そんな風に自分の知らない自分も自分だとして、ここからは交流分析を用いて自分のあらゆる側面について考えていきましょう。
改めてですが交流分析においては5つに区分される自我状態は誰もが持っているものです。そして、その「どれかが自分」なのではなくその「どれかもが自分である」としています。ここにジョハリの窓との共通点があります。
さらにジョハリの窓の理論から進んで、自我状態は相手との交流を通じて変化する、ということを交流分析では重視しています。どういうことかというと、今まで関わったことのないタイプの人と交流することで水色の窓「未知の窓」が開く可能性が高いということなのです。
極端な具体例でわかりやすく言うと、今までインテリ軍団の中で「頭が悪い」と見られていた人が別の一般的なグループの中で「頭が良い学者」という風に見られ、そのグループの中で活動する中で自分の力が引き出されインテリ軍団を見返す!といったサクセスストーリーのイメージです。
関わる人によって自分というものは本来変化するということです。
#16でもお話ししたように、馬もどんな人と関わるかによって全く態度が異なります。僕の運営している団体Horse Valueで行っている馬を使った研修(通称:Horse Mirroring Session)ではこのような変化を実感してもらえます。
馬が面白いのは素直で嘘をつかないので、本心を隠すことをしないので率直なフィードバックが得られることです。
さらに#46~#48で繰り返しお話してきたように馬はレッテル貼りをしないので、人間が変化すれば反応も自然と変わるのです。なのでHorse Mirroring Sessionの中ではそんな馬の在り方を活かして自分自身の心の中を見てもらう、ということをしていきます。
これまで前提としてきたことですが、僕は馬を観察してきて、交流分析は馬と人との交流にも応用できると確信しています。つまり交流分析で考える「人」と「馬」は共通点が多いということです。
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馬も5つの自我状態を持っています。人間の自我状態に反応して馬も自我状態を変化させます。例えば人間がCP(批判的親)で厳しく馬に接すると馬はAC(適応する子ども)を活性化させて反応してくるのです。
こういった馬の特徴については実際やってもらわないと中々信じてもらえないと思います。興味がある人、人間同士ではなかなか色々試す勇気がない人は是非一度馬との交流を体験しに来てほしいです。
交流分析における本当の自分
さて、他者との交流の中で自分が知らない自分さえ引き出されることがあるし、そう考えると本当の自分、そうじゃない自分というのはないんだな、ということが理解してもらえたと思います。
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とはいえ、本当の自分、そうじゃない自分という区別はなぜ起きるのか、ということについても最後に軽くお話しておきましょう。
これは前回の「自分らしさ」の回でお話しした内容に近いのですが、人間は自分を固定化することで自分を安心させたいのです。
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例えば、怒り狂って何か物を壊したくなる衝動にかられる自分は「本当の自分ではない」としておきたいのです。本当は嫌だけど仕方なく誰かに頭を下げる自分も「本当の自分ではない」としておきたいのです。
だからこそ、自分自身が優位に持っている自我状態、自分がいがちな自我状態を「自分」と捉えてしまっているのです。せっかく5つの自我状態があって全ての人が全て持っているにも関わらずです。
#16でもお話ししましたが、先ほどの例で言う「怒り狂う自分」も「本心を隠して頭を下げる自分」も本当の自分です。というのは、どのような自分でいても結局根底には「自分が生きるため」つまり自分への愛があるはずだからです。
どれもが本当の自分なんだよ、と認めることは最初のうちは難しいかもしれません。受け入れ難いかもしれません。
まずは頭で理解して、自分がいつもと違う感情になったり行動したりした時に「そんな自分もあるんだ」「新しい自分見つけた」と思ってあげるクセをつけると、自分らしさに苦しんだり自分が理解されないことに苦しんだりしなくなります。
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【今日のまとめ】どの自分も自分です。そしてジョハリの窓で見ていったようにまだまだ知らない自分がたくさんあります。自分も誰も知らない自分があるってものすごく伸びしろだと思います。本当の自分、嘘の自分などということにこだわらず探しに行きましょう!
明日も一日頑張りましょう!