世界中のコワーキングスペースを眺めて、未来の働き方に思いを馳せよう。
これはコワーキングスペースの決定版になりそうなプロジェクトですね。
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コワーキングスペース専門メディア「Coworkies」が、世界中の250ヶ所のコワーキングスペースを取材した書籍『Around the World in 250 Coworking Spaces』を出版する。リリースに際して支援を集めるため、Kickstarterでクラウドファンディングを実施している。
「The #AW250CS book is a collection of unique stories: an invitation to travel, at your own pace, around the world of coworking.(本書は世界中のコワーキングスペースを自在に巡るための招待状であり、ユニークな物語に溢れている)」と説明されている。世界中の魅力あるコワーキングスペースのレファレンスとして期待できる。
ただのっぺりと場所を紹介するだけでなく、綿密な取材を重ねているのが素晴らしい。直接現地を訪ね、人と話す。「なぜこの土地で、このコワーキングスペースが機能しているのか」「コワーキングスペースを通じて、働く人々同士でどんなシナジーが生まれているのか」など、固有のストーリーが生まれる源泉を辿れるようだ。
The 350 pages have been designed as an experience in itself. Flipping through the pages, no matter what your prior knowledge on coworking and flexible workspaces are, you’ll:
・Learn why and how people make coworking spaces.
・Discover and get inspired by beautiful interiors.
・Meet very different communities at work, from entrepreneurs to beauty professionals, shoemakers, artists, or even, the elderly.
・Access unique insights on experience in the workplace, and how technology and interior can really facilitate interactions between people and make them have better days at work.
(KICKSTARTER「Around the World in 250 Coworking Spaces」より引用)
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僕も昨年から、所属している会社がフルリモートワークの体制になり、サテライトオフィスとして代々木のレンタルオフィスを契約している。
固定費を抑える上では非常に良いが、あくまで「働くためのスペース」という位置付けだ。他社とのコラボレーションやネットワーキングには正直期待できない(そもそも期待して契約したわけではないが)。
大手デベロッパーもこの辺の需要は嗅ぎつけており、リーズナブルな価格帯でそこそこの付帯設備があるレンタルオフィス&コワーキングスペースは人気で。立地さえ良ければ引く手あまたという状況になっている。
ただ個人的には、コワーキングスペースが生まれてきた原点をもう一度思い出し、様々なプロジェクトや仕事が創発されるような「場作り」が主流になってほしいと思っている。
そういった意味で、前述したプロジェクトが紹介する様々なストーリーは、僕らが楽しく働く上でのヒントを与えてくれるはずだ。
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気になるリターンだが、45ユーロ支払えば本書1冊が届くという内容だ。英語の本だし、5,000円を超える決して安くない買い物だ。それでも物理的制約を超えて自在に働く人たち / 場所のことを知りたい方には有益なはず。(ただ正直、僕も購入を迷っている最中だ)
本書では、長野県富士見町の「森のオフィス」も紹介されている。僕は一度訪ねたことがあるのだが、暖かな雰囲気で、とても魅力的な場所だ。
購入を検討しつつ、今後の働き方のことにも思いを馳せる週末は、なかなか贅沢なものかもしれない。