980gのニジマス
いつだったか「漁師になりたい」と言っていた長男。
今日遊びに行った釣り堀で、980gのニジマスを釣り上げた。
この釣り堀では、大きめサイズ(1,000g)と普通のサイズ(150〜200g)がそれぞれ別の池で飼育されている。普通のサイズのニジマスは塩焼き用。大きめサイズは刺身として捌かれることが多いそう。
長男が釣り上げた大きめサイズのニジマスは難易度が高いらしい。店員さん曰く「中〜上級者向け」とのこと。実際、何組ものお客さんがトライしていたが、3時間弱で計3匹しか釣り上げられていない。子どもはおろか、大人でも難しいのだろう。
「難しいので、いけすの魚を刺身にすることもできます」と店員さんが連呼する中、長男は2時間くらい釣竿を握りしめていた。
正直に告白しよう。
私は「絶対に釣り上げるのは無理」だと思っていた。
何組もの大人が諦めている中、小学1年生の長男が釣れるわけがない。晩夏の暑さもあり、徐々に疲れも溜まってくる。惜しいのか、惜しくないのかさえ定かではない中、長男がついにニジマスを釣り上げたのだった。(私も慌てて網を差し出した)
釣りというのは待ち時間が長く、「待つことが苦手」な私にはとうてい無理な所業である。なのに長男は、ひたすら集中して竿を垂らし続けていた。
「帰るよ」と告げても、「もうちょっと!」と何度となく要請されていた。さすがに堪忍袋の尾を切ろうかと思っていた矢先の出来事。お見事としか言いようがない。
釣り上げたニジマスは、現地で刺身としてさばかれる。
見よ、この鮮やかな色合いを!
筆舌に尽くし難いほど美味な刺身だった。
川魚なのにクサミが全くない。運転しなければならないのでビールは飲めなかったが、さぞアルコールに合うだろう。でも、刺身だけでも十分美味い。いや、むしろ刺身だけで味わうのが本来の形なのだろう。(ちなみにお値段はけっこうする)
なにより、長男が頑張って釣り上げた魚を食べられるのが嬉しい。
将来、本当に漁師になるかどうか分からないけれど、今日の成功体験は本人にとってもかなり大きいものになるのではないだろうか。親である私も、色々なところで吹聴しそうな気がする。
そして、子どもの能力を侮ってはいけない。肝に銘じつつ、またいつかの良き体験に向けて、親の胆力も磨いていこうと思うのだ。