編集補記(早坂あゆみさんエッセイ|ふつうごと)
Webサイト「ふつうごと」で毎週公開しているエッセイ企画 #愛を語ってくれませんか 。
2023年4月に寄稿いただいたのは、元コピーライターで現在は新聞の地域面編集に携わっている早坂あゆみさんだ。このnoteでもたびたび紹介している、菅付雅信の編集スパルタ塾の縁で知り合いになった。僕が「ふつうごと」「osanai」を運営していると話すと、「書きたい」と言ってくれたのが寄稿のきっかけである。
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早坂さんの守備範囲は広い。アンパンマンから、大林宣彦まで。身近な実体験から、被災地へと思いを馳せたり。感受性の豊かさは、好奇心とともに、どこまでもピュアな気持ちゆえだろう。
元コピーライターということもあり、言語センスが抜群。「人にやさしい」と言いたくないという、ハッとする言葉。そして、「穴には愛」というちょっとエロティックな響きもあって。
しかも起承転結の流れが完璧で、エッセイとしての完成度も高い。
編集スパルタ塾の仲間うちで、早坂さんのエッセイに何度も舌を巻いた。
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同じ塾の出身者として、3本目のエッセイは心に沁みた。
冒頭で吐露されているのは、ご自身が「マウント女子」の性格を内に持っていたということ。嫉妬だったり、仲間のミスを密かに願う気持ちだったり、それは僕の中にもある感情で、校正をしながら「うん、うん」と共感してしまった。
そして、とあることがきっかけで、早坂さんは「友達の成功を素直に喜べるようになった」という。
自分の性格というか、虚栄心が洗われる瞬間。それがエッセイの中に鮮やかに記されていたのだ。
早坂さんにいつもぽっかり空いていた穴。もちろん人間そうは変われないけれど、穴が愛で埋まる経験を得られることは、そんなに多くはないだろう。でも早坂さんの心の穴には、愛で満たされたわけで。それを「成功体験」なんて表現すると、ちょっとビジネスライクだけど、間違いなくそれは得難い体験だったはずだ。
それを羨ましく感じるのでなく、何だか僕まで祝福したい気持ちになれる。早坂さんのエッセイには、そんな人間力が詰まっているのだ。
4本のエッセイには、そんな人間・早坂あゆみのエッセンスが詰まっている。これからも、早坂さんの書くテキストを、もっと読みたいと思っている。
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早坂さんの4本のエッセイは、以下にアーカイブされています。折に触れて読み返したいエッセイになりました。
早坂さんのエッセイが「愛を語ってくれませんか?」の連載に加わってくれたことを、いち編集者として嬉しく思います。ぜひ読んでみてください。
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また、5月は兼業主夫の今井峻介さんにエッセイを寄稿いただいています。こちらも素晴らしいエッセイなので、ぜひ読んでみてください。
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