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アニメ「PSYCHO-PASS」が楽し過ぎて一気に観た話

年始に掲げた「 #やりたいこと100個 」に挙げた、アニメ「PSYCHO-PASS」視聴を遂に完走することができた。
2019年公開の映画3部作「sinners of the system」は毎月新しいシリーズが劇場のみで公開されるというもの。仕事や育児、経営ゼミの合間を見つけていくのは正直しんどかった…。

もともとPSYCHO-PASSを観ようと思ったのは、社員が「中国でPSYCHO-PASSっぽい仕組みが実験的に始まったみたい」というツイートがきっかけ。そもそも僕はいわゆるアニメファンではないので、PSYCHO-PASSというアニメそのものの存在すら知らなかった。たまたま契約再開したNetflixにて配信されていたため「とりあえず数話だけ観てみるか」と思ったら止まらなかった

PSYCHO-PASSの面白いところ(ネタバレなし)

無粋かもしれないが、敢えてまとめると以下のようなところだろうか。

・第1話から観る側を離脱させるのも厭わない情報量の多さに圧倒される。
・明らかに説明不足なのに興味を激しく引くワード(犯罪係数、ドミネーター、潜在犯、色相、エリアストレス、ドローンなど)が散りばめられている。
・性格や心理が数値化 / 運命づけられた世界は現実的にはありえないのだけれど、フィクションという枠組みの中では正当に描かれている。(「こんなの絶対日本ではありえない!」はずの世界なんだけど、それを「ありかも」「実現しちゃうかも」と思わせる脚本が秀逸!
・絶対的なシステム「シビュラシステム」の穴を突く展開の数々から目が離せない。
・登場人物が軒並み魅力的。アニメ版で脇役だった人物が映画では主役を担うなど、キャラクターの一人ひとりが濃い。
・オープニング曲である凛として時雨「abnormalize」がカッコイイ。

未視聴の方にざっくり説明すると…

PSYCHO-PASSでは、人間の心理状態や性格的傾向を「サイコパス」という値で数値化し管理する「シビュラシステム」が絶対的なシステムとして君臨している。
生まれながらにして「こいつは将来、犯罪を犯す可能性が高い=潜在犯」と認定されると、職業も身分も限定されてしまう。また日々の生活でストレスを抱えた人間が、普通の人間→潜在犯に堕ちてしまうこともある。

「まだ犯罪を犯していない」というのがミソだ。当然ながら潜在犯として認定された人間は不条理なものとしてシステムを憎んでいく。
だが一方でシステム導入後に犯罪件数が大幅に減り、平和に運用されていることでプラスに感じているのがマジョリティであることが頑然とした事実なわけで。「社会は、正義と悪の対立構造だけで成立しているわけではない」というガンダムの世界観にも似たアニメ「PSYCHO-PASS」は、考えさせられることが非常に多い。

とにかく一気に観た 

シーズン1, 2, 劇場版, 新劇場版三部作とそれなりの視聴時間を要する。
「休まずに一気に観る」という断固たる決意がなければ、PSYCHO-PASS視聴の完走はありえなかったと思う。加えて、洗濯物を畳みながら、アイロンを掛けながら、料理を作りながらといった「ながら」時間を使うことはマストだろう。全ての「ながら」を味方につけなければならなかった

Prime Video、Netflix、Huluの良いところ(悪いところであるが)は、シリーズものを一気に観ることができるということだ。熱量が高い状態のもので観られるので、コアファンになりやすい利点がある。コアファンを作るというのは製作者側の観点かもしれないが、「面白いものを探したい」というファン側の利点でもあると僕は思っている。

アーカイブされていないものは、途中での離脱を促進してしまうかもしれない。僕はだいたいの事柄において「面白がれる」性格ではあるのだが、大河ドラマは「観忘れる」ことにより離脱してしまうことがある。

「一気に観る」ことは性質上難しいかもしれないが、NHKオンラインだけでなく、民間のサブスクリプションも活用していけば、もっと裾野が広がるんじゃないかな。「面白がる」人たちをもっと味方につけることが大事だと思うわけです。

ということで、PSYCHO-PASSはお薦め。
シーズン3も始まるようで、今のうちから犯罪係数高くして待ちたいと思っている。

ネタバレではないけれど、映画3部作「sinners of the system」のCase3「恩讐の彼方に」は狡噛慎也の物語だったこともあり、三作の中では、個人的に一番楽しむことができた。

アニメ版、劇場版から続いている葛藤の描き方は、ストーリーテリングにおける「セオリー通り」と言えばそれまでなんだけど、狡噛自身が「変わりたい」という前向きな発想に移っている様子が観れて清々しい想いだった。

「完走」したこととは同義になりえないものだけど、Case3の結末に共感できることがめちゃくちゃ多かったのは事実。Case2でちょいと出てきた花城フレデリカがこんなに仕事するなんて想像だにしなかったけれど。笑

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ほりそう / 堀 聡太
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