新卒社員に薦めた3冊の本について
2018年12月。
年の瀬も差し迫った頃、何となく思い立って、新卒入社した3名の社員に本を薦めてみた。これまで個別に面談していた際に「読書習慣がない」と話していたのがずっと気になっていた。加えて間もなく1年目が終わろうとしている中で、(後々)クリティカルになりかねない課題も個々に散見される。
もちろん30代半ばに差し掛かる僕にとって、適切な言葉を選んでコミュニケーションを取ることが、上層部からは最も期待されていることだと分かっている。その上で「選書し読んでもらう」というアプローチを取ったのは、彼らのポテンシャルを信じたからに他ならない。
年が明けて、本の感想を携えて彼らと話したけれど、意図を超えて出題者(僕)の想いを深読みしてくれたりして面白かった。
彼らの話を聞くと、僕が構想していたものは、意図というバシッとしたものでなく、どちらかと言うと仮説に近いことではないかと感じている。だから「なんでこの本をプレゼントしてくれたんですか?」と聞かれても答えは濁しておいた。明後日の方向にズレていないし、それなりにインスピレーションを刺激してくれたみたいで僕は満足している。
(いつも通り)前書きが長くなってしまったけれど、選書した3冊を紹介します。
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小杉俊哉『起業家のように企業で働く』
SFCで「リーダーシップ論」などの人気講義をされていた小杉先生の著書。僕と同時期に在籍していた友人は軒並み小杉先生のファンで。まさか僕自身が「人事」を主戦場にすると思っていなかったけれど、本書は20代半ばのビジネスパーソンに散見される悩み / 迷いに優しく応える内容になっている。
どんな時代でも、能動的にキャリア自律・実現を目指すことは重要。「作業でなく仕事をしてほしい」というメッセージも込めて選書しました。
佐藤可士和『佐藤可士和の超整理術』
「アートディレクターは医師、デザインは処方箋」。佐藤可士和さんを特集した、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」での言葉だ。問題発見・解決における佐藤さんのプロフェッショナリズムに、当時めちゃくちゃ痺れた。
本書は「整理」をテーマに構成されている。インプットからアウトプットに至るまでの過程って、意外と個々の裁量に任されている。結果は一番大事だけど、実はプロセス(整理を含む)に細心の注意を払うべきなんだと思う。
乙武洋匡『車輪の上』
唯一の小説で、本書を手渡したとき戸惑われたのを憶えています。
車椅子の青年である主人公がひょんとしたことからホストに就くことから話は始まる。車椅子という「ハンデ」を、主人公がどのように捉えているか / 捉えるべきなのか / 現実はどう捉えられてしまうのかなど、遠い世界の話なんだけど身近に感じるテーマ設定で、思わず感情移入してしまう。
物事の捉え方は人それぞれ。ポジティブにもネガティブにもなり得るわけで。「人生一度きりだしポジティブにやったろうぜ」というのが私見です。
ちなみに、乙武さんのnoteによると本書の売上は厳しいようで。他人に肩入れしている場合ではないのですが、ぜひ一人でも多くの若手ビジネスパーソンに読まれると良いのではないかと思っています。
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以下、まとめです。
Amazonリンクも貼っていますので、関心ある方はぜひ。
小杉俊哉『起業家のように企業で働く』
佐藤可士和『佐藤可士和の超整理術』
乙武洋匡『車輪の上』
追記。仕事で直接役に立つスキル系のものでなく、マインドセットの観点が大きいなとエントリ後に気付きました。これは意識的な気もするけど、選書にあたり言語化はしなかった点です。これが2,3年目向けや中堅社員向けだとまた変わってくるんだと思います。
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