ショートステイ里親制度が、子育ての環境を育んでいく。
里親というと、ややハードルが高いイメージを持たれがちですよね。「育児疲れ」と組み合わせるところがミソのように感じました。
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本日の日本経済新聞夕刊で、子どもを預かるショートステイ事業が記事になっていた。福岡県福岡市と兵庫県明石市が事例として取り上げられている。
何らかの事情で親元を離れざるを得ない子どもの受け入れ先は、たいていの場合児童養護施設が中心になるだろう。もちろんこうしたセーフティネットは自治体が中心となって運営していく必要があるが、当然のことながら「何らかの事情」にはグラデーションがある。
記事では「育児疲れ」が例に挙げられている。育児にな悩んだり休みを要したりした親にとって、預け先として、自治体がお墨付きを与えたショートステイの里親を頼れるのは有り難い制度だろう。
自治体や連携先の団体が仲介役を担い、親と里親が懇親を深めるきっかけを作れたら良いなと感じる。彼らの生活環境が必ずしも一致するとは限らないためワークしない可能性も十分あるが「困ったときに気軽に相談できる」人がいるのは精神的にもラクになるはずだ。
長期にわたって子どもを養育するのは、里親候補の方々がハードルを感じ、結果的に担い手を減じる要素になるだろう。ショートステイがあることで「自分にもできるかもしれない」「短期でなく、実際に里親として子どもを育ててみたい」と感じてもらえる。
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もちろん上記はやや安直な論理だ。実際には、間に入る自治体と連携先の団体の地道な「マッチング」施策が成否を分けるだろう。
それでも福岡市と明石市がモデルケースとして、他自治体にも良い意味で模倣されていけば、様々な社会課題を滑らかに解決していく一助になるかもしれない。
共通しているのは「子どもはみんなで育てる」という意思だ。
親を孤立させず、関係者が連動しながら子育ての環境作りを充実させてもらいたい。