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「分からない人」と関わる糸井重里さん。

「コピーライターズサミット2022 :糸井重里と60年目の新人たち」というイベントをオンライン視聴した。主催は東京コピーライターズクラブ。

登壇したのは、谷山雅計さんと糸井重里さん、そして2022年TCC新人賞受賞者の4名。「糸井重里と」とある通り、谷山さん始めコピーライターの皆さんが糸井さんの言葉を聴くような形の1時間半のイベントだった。

作り置きの料理をしながらのゆる〜い視聴だったので、細部は違っているだろうけど、個人の備忘録として残しておく。

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終盤の糸井さんが「若い人たちと関わるようにしている。若い人たちの言ってることって、分からないことがあるから」という発言が面白かった。

糸井さんは、もはや誰とでも付き合えるような立場の人だ。

やろうと思えば、糸井さんの考えていることを瞬時にキャッチアップできるような人たちと仕事することもできるだろう。その方が仕事も速いし、確率高く優れたアウトプットが見込める。糸井さんはそういった人たちのことを「分かる人」と呼んだ。

それでも糸井さんは、「分からない人」たちと付き合うことを意識しているそうだ。ひととおり会話をしたときに、彼らとは分かり合えないかもしれない。そこでモヤモヤが発生する。なんで分かり合えないんだろう。

だけど次に会ったときには分かり合えることがある。「あ、そういうことを考えていたんだね」。そういったコミュニケーションが生まれると、「分かる人」とだけ話していたときとは違った学びを得ることができるという。

現在73歳の糸井さんにとって、たまたま若者がそういう存在なのだろう。糸井さんと異なる言語感覚、価値観や関心軸を持ち合わせている「分からない人」たち。

イベントではBTSの話も出てきたけれど、「一般的」とは外れたルートでメインストリームに躍り出た人たち。彼らの思考回路は常人とは違っているけれど、だからこそ面白い。

なぜ、その選択をしたのだろうか。怖くなかったのだろうか。勝算はあったのだろうか。

そういった問いの答えを、知らず知らず、常識の方向へと誘導してしまうことがある。でも、本当であれば「分からない」ままでインプットした方が良いはずで。その場では理解できなくても、数日後、数ヶ月後、数年後には「分かる」かもしれない。

もしかしたら一生「分からない」かもしれないけれど、「分からない」こととして誠実に受け止めることも、実は必要なはずだ。

分かったフリをするのと同じくらい、分からないままで留めておく。

そんな態度も「アリ」なことを、糸井さんが教えてくれたような気がする。って、早急に解釈しちゃったけれど、もっと「分からない」ままにしておいた方が良いのかなあ。

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ほりそう / 堀 聡太
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