編集補記(やまのぼりさんエッセイ|ふつうごと)
先月の松金里佳さんのエッセイに続き、12月はやまのぼりさんに愛を語っていただいた。
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やまのぼりさんは今年社会人になったばかりの23歳。現在はPRの仕事に従事されている。
まだ彼女が大学生のとき、彼女の将来やりたいことを話してくれた。キラキラした表情、目の輝きはとても眩しかった。
ピュアだけでなく、大人びた女性でもあった。スタートアップでインターンをしていて、大学生ながら「仕事って大変ですよね」ということを自分の言葉で語れる人だったからだ。
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コロナ禍もあって、彼女と2年以上会っていなかった。ときどき彼女はnoteを書いていたから、テキストをいつも楽しみにしていた。
ポジティブなエネルギーのやまのぼりさんが相変わらずいることが多かった。だけど僕が面白いなと思ったのは、「負」というか、気持ちの底から声を出しているnoteだった。僕にとって、彼女の意外な一面だったからだ。
いま、僕は「負」という言葉を使ったけれど、決してネガティブな印象を持ってほしくない。
むしろ僕は、そういった「負」をきちんと持ち合わせているからこそ、やまのぼりさんを信頼できた。
ちゃんと「負ける」ことを知っている人は、他人にも優しい気持ちで接することができる。そして「負ける」ことを言葉にできる人に、愛を語ってもらいたいと思ったのだった。
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11月初旬、こんなメッセージを送った。
だいぶざっくりしているけれど、やまのぼりさんは快諾してくれた。
「苦戦してます!」なんて言っていたけれど、やまのぼりさんの心の内にある色々な「愛」を、良い感じでしたためてくれると期待していた。
結果的に、やまのぼりさんが書いてきたエッセイは、僕が想像していたものと違っていた。良い意味で裏切られた。
そこには生々しく迷っていて、愛のことなんか分からない!だけど私はちゃんと存在してるんだ!、と声をあげる女性の姿があった。文体は1,2本目と、3,4本目で変えてきた。内容もどんどん内に向かっていく。躊躇なく、自らの内部へと潜っていける(ように見える)彼女の突破力に改めて舌を巻いた。
突破力という意味では、やまのぼりさんは自分のテキストを惜しげもなく塗り替えられる胆力も持ち合わせている。4本目のエッセイで、僕はやや多めのリクエストを出した。どうリライトしてもらえるかと思ったら、なんと前半部分をまるっと削除し、全く異なるテキストを提出したのだ。
実は僕は、彼女が最初に提出してくれたテキストも好きだった。だけどやまのぼりさんが熟考の末、希望を提示してくれた今のエッセイにもすごく納得している。
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きっとこれから、色々な場所で、自らのテキストや絵を発信していく人だろうと思う。
その始まりに立ち会えて、本当に良かった。とても楽しかった。また近々会えるのが楽しみである。