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感想 | ほりそう

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世の中の「もの」「こと」に関して、感じたこと / 想ったことを綴ります。
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#読書感想文

女性ではないし、インフルエンサーではありませんが

1982年生まれ、2つ下の妻と結婚して10年以上が経つ筆者による、子どもについて思考をめぐらせ…

堀聡太
2日前
2

男性である私も、「女の子に生まれたこと」を、後悔してほしくないから。

「フェミニズム」という言葉を聞いて、あなたが幾ばくか警戒する思いを抱くとしたら。 おそら…

堀聡太
3週間前
11

ようやくカナダに行けて、本当に良かった。

英語を喋れない。聞き取るのも難しい。 コンピュータも苦手。 芸能の世界で活躍してきた、タ…

堀聡太
3週間前
10

“私”の羊をめぐる冒険(河﨑秋子『私の最後の羊が死んだ』を読んで)

何の事前情報もなく、「面白そうなタイトルの小説だな」と本書を手に取ったら、なんと著者初め…

堀聡太
1か月前
2

キーフレームを歪ませた結果は。(安堂ホセ『DTOPIA』を読んで)

恋愛リアリティショーをモチーフにした新進気鋭の小説家による新作。 ということで気軽に読ん…

堀聡太
1か月前
6

『スマホ脳』からの解放。「集中力」と「人間らしい生活」を取り戻したい

2025年は、なるべくスマートフォンから離れることにする。 つまりそれは、メッセージアプリや…

堀聡太
1か月前
8

2024年に読んだ書籍10選

毎年恒例、年間の書籍10選。 2023年はあまり読書の時間をとれなかったが、2024年は読書の習慣を概ね取り戻したといっていい。ゆるくノルマを設けながら、だけど「年間100冊読む!」みたいなストイックさは皆無で。 友人との読書会も何回か実施して、ここ数年で最も豊かな読書体験な1年だったように思う。 以下で紹介する本は、だいたい読んだ順に記しています。 私にとって貴重な、書籍による定点観測。読んでくださっているあなたの年末年始の読書のきっかけになったら嬉しい。 ──

根無し草になろうとも、「本当の危機」を求める人たち(松永K三蔵『バリ山行』を読ん…

どこに行きたい。 でも、どこにも行けない。 それって、なぜだろうか?と時々、思う。 家族…

堀聡太
2か月前
2

誰もが「歪んだ幸せ」を志向してしまう説?(宮口幸治『歪んだ幸せを求める人たち』を…

医学博士で臨床心理士の宮口幸治さんによる新著。 これまで非行少年にフィーチャーされてきた…

堀聡太
2か月前
7

いのちの車窓のそばで、文章を書く

音楽家として、俳優として活躍する星野源さんには、文筆家としての「顔」がある。 私は星野さ…

堀聡太
3か月前
18

死の淵で、死を想う作家の言葉

映画メディア「osanai」に、小波季世さん執筆による「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」の…

堀聡太
3か月前
6

あのときの青いグローブに祈りを込めて。(向坂くじら『犬ではないと言われた犬』を読…

べらぼうに面白かったエッセイ。 1994年生まれの詩人による(と、わざわざ記しているのは、ど…

堀聡太
3か月前
3

「分からない」は、分からないままで。(尾崎世界観『転の声』を読んで)

クリープハイプのフロントマン・尾崎世界観による小説『転の声』は、「転売」という行為が正当…

堀聡太
4か月前
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ゆるい幸せとは、だらっと続いてしまうもの。(高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』を読んで)

「たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする」と書いた浅野いにおは、幸せなんて、いつ行方不明になるか分からない概念を常に疑い続けている。 浅野よりも8つ年下の小説家・高瀬隼子が、「ソラニン」という漫画を読んでいたかは定かでないが、その「ゆるい幸せ」の怖さを痛いほど理解しているのは間違いなくて。 たぶん、ゆるい幸せを続けようとする人はない。 だけど、ゆるい幸せとは、だらっと続いてしまうものなのだ。 そんな「蟻地獄」のような“地獄”にハマったり、ハマるまいと抗ったり。『砂の女