300318_イベントは如何にして_失敗_するのか_01

教育を舐めるな。「起業家支援とイベント」

久しぶりに憤ったので怒りを手に込めていつもより少し強めにキーボードを叩きながらブログを書きます。

まずはじめに断ります。

登壇者の皆様及び企画運営にかかわられた皆様の人格や属性はもちろんのこと、本ブログに登場するイベント『創業啓発シンポジウム~若者へつなぐ,起業家のメッセージ~』における関係者すべての方に対しての批判や否定をするつもりは一切ありません。主観に基づき自分のスタンス並びに仕事についての文章にするつもりです。


本日、と言いますか1時間前に、先述イベント、つくば市産業振興課主催の『創業啓発シンポジウム~若者へつなぐ,起業家のメッセージ~』に参加してまいりました。

photo by 守屋 俊甫さん

たまたま機会もいただき、イベント前にはつくば市長の五十嵐さんも交えた、登壇者たちを中心とするつくばのスタートアップ界隈の方々とのランチミーティングにも参加させていただきました(直前には副市長の毛塚さんと今後都内で仕掛けていくイベントについて会議の時間もいただきました。ありがとうございます)。

いわゆる”起業家”の交流会、個人的には好きじゃないのであまり行かないのですが、今回はいろんな関係もあり、自分自身「タイミングだな」と思ところもあったので喜んで参加させていただきました。結果、もちろん有意義で非常にエキサイティングな時間を過ごさせていただきましたし、今まで知らなかった知見はもちろん今後より楽しみな”収穫”もありました。


さて、本題に戻ります。

今回のイベントは「若者へつなぐ,起業家のメッセージ」というサブタイトルにもある通り、参加者40名程に対して高校生が6割、大学生が1割、そしてその他の方が3割という構成比でした。高校生を呼べるのは自治体主催であり、教育委員会以下、学校へ直接下ろせる強みだなあなどと思ったところです。(確証はありません。もし高校生がみなさん自主的に来られていたのだとしたら申し訳ありません。が、ほぼそれはないでしょう。決められたように前の真ん中の席から順に座っていたことからもそれは明白です。)

問題はそこではありません。そういった”やり方”に対しては一切の驚きも落胆も、はたまたよいという感情も悪いという感情もありません。ただただ「事実としてそうであろう」という”邪推”をしたにすぎません。邪推である時点で当たろうが外れようが、少なくとも僕にとってはどちらでもいいわけです。


イベント全体を通しては約90分の中でファシリテーターの方からパネラーの皆様に対して自己紹介及び事業紹介を促し、それぞれの紹介後クロストークをするという、一般的なもの。随所で会場からの質問をとりながら進められていて個人的には好きな進め方でもありました。

とは言え、僕が憤った点がありまして。

ここまで書いてもまだ若干気持ちが落ち着かず負の感情が強いので、さらに前置きをしますと、

ここで憤っているのは登壇されていた皆様でも質問者及びその他すべての関係者様に対してでもなく、自分自身に対しての憤りである、と先に述べさせていただきます。すべては自分に対する憤りです。


会も終盤を迎えて残り5分程度になった頃にファシリテーターから「閉会を迎えるにあたって2名から質問を受けましょう。できれば高校生の方から1名はお願いしたい」という旨、促されました。

1人目の質問として高校生から登壇者の1名に対する”いい”質問が挙がり、純粋に「この場で質問ができるなんて本当にいいなぁ」と思いました。

2人目の質問者がおじさんだったわけですが、この時点で若干嫌な予感がしていました。往々にして最後時間も気になるタイミングでの年長者の質問に対して僕は若干の不安を覚えます。その実、若干の陳情やネガティブな要素を含んでいました。とは言え、この意見及び要望を寄せられたパネラーの方は想いを述べるとともにうまくユーモアやポジティブな方向性の応答をされていて、本当に素敵だなぁと感じました。

が、さらにもう1名質問された方がいて、これもパネラー個人を指名しての質問。それも平たく言うならば”大人の話”。

そして極めつけが、その後パネラーが答え、ファシリテーターがうまく会をまとめてくださってから、進行を事務局に返した後の部長だか課長だかのつまらないまとめ。ここらへんで本気で苛立った。ファシリテーターの方及びパネラーの皆様が知人友人でなかったならば、その場で席を立ったと思う。


怒りを乗せてしまったから駄文乱文になってしまったが、まとめると今回僕が憤った点は詰まるところ1点に絞られる。

『教育を舐めるな』ということだ。

先述した起業家同士のランチミーティングやいわゆる異業種交流会のような場で生まれるものはもちろん多々あろう。そのレベル感での話し合いが有意義であることもよくわかる。慎ましく、また能力はないことを重々承知はしているが自分自身起業家だ。その重要性と必然性は前提として理解している。

が、今回のイベントは『創業啓発シンポジウム~若者へつなぐ,起業家のメッセージ~』だ。しかも参加者の約6割を高校生が占めている。

僕は塾講師を3年、個人の家庭教師を5年ほどしてきた。今の仕事においても、プロジェクトベースにおいても、すべてぼくの根底は「まちづくり × 教育」で説明できるものと捉えている。

特に高校生に対しては長くかかわってきた身として、彼らに接する際に、教科教育の手法がどうだとか、教育指導要領に対するコミットメントだとか、そんなことよりも、接しているまさにその一挙手一投足が与える影響について常に考え続けてきた。あるいは今Tsukuba Place Labというコワーキングスペースを運営し、日々大学生を中心とする若者、特に”なにかやってみたい”という希望と不安とを併せ持った若者と接している中でも常に考えている。自分の一挙手一投足がその子の未来を形作るのだと。


だから、今回のイベントは大いに苛立ったのだろう。

最後に「若者に対して、起業の魅力を一言ずついただけませんか?」という質問をできなかった自分に。


若者のためのイベントに、どんな形であれどんなアプローチであれ高校生を十分な人数呼び、実施したイベントにおいて、なぜ最後若者に対してしっかり価値を提供させてあげられなかったのか、しっかりと”対峙し”同じ目線で語ってあげさせる質問を投げられなかったのか、”「大人のしょうもない独りよがりの質問」と自分が感じた場”を放置してしまったのか、それが悔しくてしょうがなかった。


自分だったらどうするか…

を考えたときに、やっぱり主催者としてあるいはファシリテーターとして(普段がこの立場が異様に多い=Labでは年間350本以上のイベントを企画運営し、外部登壇も合わせると年間400本以上のイベントにかかわっているがそのほとんどが主催者ないしファシリテーターであるため、自分をその立場に置いた)

・質問者のハンドリングはすべき

・ターゲッティング及びそのための目的は絶対にブレてはいけない

・場の空気を誰よりも読み先に動く

ことが必要だと思った。


やはり怒りを乗せてしまったため多少関係者に不快な思いをさせることになりかねないとは思う。しかし、繰り返しになるが、すべては最後に「若者に対して、起業の魅力を一言ずついただけませんか?」という質問をできなかった自分に対する憤りであり、未来ある若者にその価値を提供するための場や空気感に会場を変えられなかった自分の非力さに対する落胆でしかない。

事実、イベントそのものから学んだことは多く、新たな知見とともに皆様のご活動から本当に多くの刺激をいただいた。


とは言え、このまま陳情や不満の垂れ流しで終えるのは、個人的に好きではない。アクションプランまで落とさなければ、意味がない。

であるならば、やはりぼくは「イベントが如何にして”失敗する”のか」をより多くの方に伝える仕事に力を入れたいと思ったし、言ったからには責任が生じるものだと思っているので、今後、企画者に対して”しっかりと具申”していこうと思う。また今後市との関係は、個人的により濃くなっていくように思う。「関係性が…」とか「自分のようなものが…」とかそんな無意味かつ意気地のない言い訳を立てて逃げることを辞め、責任ある立場に自分を置き、しっかりと価値を提供できる下地を、どこにあっても、自分がかかわるすべてにつくりたい、そう強く思いました。


ぼくは教育を「その人と付き合う覚悟を絶対に切り捨てないこと」と定義します。かかわってくれているすべての方に影響ではなく価値を与えたい。

自分から逃げている暇はない。



結びに、繰り返しになってしまいますが、登壇者の皆様及び企画運営にかかわられた皆様、その他関係するすべての方に対しての批判や否定をするつもりは一切ありませんでした。主観に基づき自分のスタンス並びに仕事についての文章にしたつもりです。納得いかない方はどうぞコメントやメッセージにてご意見お寄せください。


facebook : 堀下 恭平
Twitter : @Horishitakyohei

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