「地域社会について」②
地域社会について「都市」と「農山村」の対極した2つの視点から考える。
2回目は「農山村」から。
前段に 前回の①「都市」について
『地域社会学入門』山本努 編著
学文社 (2019.09.10)
第2章 地域社会学入門/過疎農山村研究から
山本努 pp.39〜88.
「都市」と「農山村」
日本の人口の9割は「都市」に住んでいます。(2015年/国勢調査)
市部 91.4% 郡部 8.6%
高度に都市化した社会 → 出生率の減少 → 社会の消滅 と云う連鎖
半農半都市化
▶ 現在の都市(まち)の後背地は、どこだろうか?考えてみる。
農山村:農業に従事する人々を主体とする地域社会
都市と農山村の差異がなくなるのは「都市の農山村化」より「農山村の都市化」において強力に進行していく。
▶「都市の農山村化」や「農山村の都市化」が自分のまわりで起きていないか?考えてみる。
1960年あたりから、農家数に変化があらわれ始めた。
高度経済成長に伴い暮らしが変化してきた。
都市化 = 豊かなモノに囲まれた生活の変化
モノ(耐久消費財)に満たされた社会
「自然」から離脱した「都市化」した社会に住み「豊かなモノに囲まれ」「高等教育」を受けた「現代の社会」に変貌していきました。
そして、この地域に「住み続けたい」と云う意識が希薄になったのです。
農山村地域における「過疎化」
▶ 人々は、なぜ 農山村の暮らしを選ばないのか?
「悲観」や「絶望感」からではないような気がします。
【経済的要因】
生産基盤が低い
産業が無い
【社会的要因】
厳しい自然・生活環境の不備
教育環境
【その他】
悲観論
「限界集落」と「過疎」の概念
▶ 限界集落の概念
高齢化にともなう、共同性維持の困難を示す概念 p.66
▶ 過疎の概念
人口減少にともなう、共同性維持の困難を示す概念 p.66
註釈) 限界集落と云う概念は「65歳以上の高齢者か集落人口の半数を超え」と云う量的な規定はカットして、「冠婚葬祭をはじめ 田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態におかれている集落」と云う質的な定義が望ましい。
▶ 次に、農業・農村と都市を考える上で、参考に なると思われるサイトを、ご紹介します。
農業・農村の有する多面的機能
農林水産省 ウエブサイト
イメージ
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/nougyo_kinou/
都市の魅力とは?
経済的だけでなく、何か違う「都市」の魅力とは?何だろう。
【参考】
国土交通省の公式サイトより (抜粋)
「地域の魅力とは何か」
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h21/hakusho/h22/html/k1231000.html
大阪ガス㈱都市魅力研究室
公式サイト
http://www.toshimiryoku.jp/sp/about.html
和歌山社会経済研究所
公式サイトより
「街の魅力を構成する6つの要素と "Third Place" について」
http://www.wsk.or.jp/report/tani/02.html
日本社会の変化(変貌)
1960年代以降、日本は 農業中心の農村型社会から、産業化した都市型社会へと変化(変貌)していきました。
「自然」から離脱
「物」に囲まれた物質的に豊かな社会
「高等教育」による高学歴社会
↓
現代の暮らし
過疎問題の出現
高度経済成長を経て、産業化した都市型社会が現れたが、それは同時に過疎地域・過疎問題の出現も意味した事になります。
繁栄と衰退
1067年版(昭和42年)「経済社会発展計画」(抄)
「昭和40年代においては,生活水準,教育水準の向上や高度化に伴って,人口の都市への集中は 一層の進展をみせる。他方,農山漁村においては,人口流出が進行し,地域によっては地域社会の基礎的生活条件の確保にも支障をきたすような,いわゆる過疎現象が問題となろう。」
その後
1970年〜1988年までは「人口の自然増より人口の社会減が大きい」
過疎問題の過疎問題の等閑視
人口の社会減プラス人口の自然減」と なった。
過疎問題の出現
社会学的考察 (むすび)
人間には、自分と云う存在の基盤となり、安堵して暮らし、やがて そこで死んでいける「社会的地域(コミュニティ)」が必要になるでしょう。
2020.02.11