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『新しい幸福論』を読む②
はじめに、前回の①
『新しい幸福論』
橘木俊詔(たちばなき としあき)
岩波新書 (2016.05.20)
【第2ステージ】
アダム・スミスやリカードは、経済成長と云う事を頭の中で考えていたが、それを経済学の議論としては明確に示さなかった。
生産要素(土地・労働・資本)が増えれば、自ずと産出量が増加すると、経済成長を漠然と捉えていました。
しかし、この想定に異議を唱えた経済学者が、マルサスとミルの二人でした。
マルサス:人口論
【人口論】wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E8%AB%96
マルサスは人口の増加が生活資源を生産する土地の能力よりも不等に大きいと主張し、人口は制限されなければ幾何級数的に増加するが生活資源は算術級数的にしか増加しないので、生活資源は必ず不足する、という帰結を導く。
ミル:経済学原理
【J.S.Mil】wikipedia
19世紀の英国は、産業革命や植民地獲得競争の勝利で、急激に物質的な豊かさを獲得した。しかし、そうした史上空前の繁栄にもかかわらず、貧富の格差や植民地の増加などの社会変化の中で、古典派元来の自由放任政策は行き詰まりを見せていた。
ミルは、経済成長を自明のものとしなかったため、いわゆる「定常型社会」論の先駆と見なされることもある。
【定常型社会】wikipediaより
定常経済すなわち定常状態の経済(英: steady-state economy)とは一定の物理的な財産(資本)と一定の人口規模から成り立つ経済である。
実際には、このような経済は時間経過において成長しない。その用語は通常特定の国の国民経済を指すが、しかしそれはひとつの都市や地域、もしくは世界の経済システムについても適用しうる。
初期の経済思想史において、18世紀の古典派経済学者のアダム・スミスは経済の定常状態(英: stationary state)の概念を展開した:スミスは世界のいかなる国民経済も早晩定常の終局状態に落ち着くだろうことを信じた。
1970年代以降、定常状態の経済の概念は環境経済学者のハーマン・デイリーの主導の仕事をもって主に関連してきた。経済を通した天然資源の流通の環境的な分析を含んだ定常状態(英: steady-state)のデイリーの概念として、彼の概念は定常状態(英: stationary state)の元来の古典派の概念とは違っている。一つの他の違いは、すべての資源利用における永久の政府の制約を課することで定常状態の経済を創設するような直接の政治的行動をデイリーは勧める。これに反して古典期の経済学者らは、どのような経済の終局の定常の状態もいかなる政府の干渉なしにそれ自身で展開されることを信じた。
世界の環境問題の増加は定常経済の概念における広い関心を引き起こしている。
2021.03.16