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"まちづくり"の、あるべき姿とは。


『人口減少時代の再開発』
NHK取材班
NHK出版新書 (2024.07.10.)

【はじめに】

今年(2024)1月に放送されたNHKスペシャル「まちづくりの未来」が新書になり発刊されました。
その中から、終章の特別寄稿:野澤千恵教授(明治大学)の「"まちづくり" のあるべき姿」を、じっくり読むことにする。
pp.211〜236

【特別寄稿】"まちづくり" のあるべき姿

1) 都市圏ごとに、容積率などの規制緩和による「ゴール」を設定。

2) 計画段階からの実効性のある、市民参加のプロセスを導入。

3) 過密化による街への影響の厳密な評価と予防策の実行。

4) 減築や修復に対する、新たな事業手法や支援策の実現。

5) 地域の実情や個性(らしさ)に即した「公共性」を評価する仕組みづくり。
pp.212

【都市開発法】

第一種「権利変換方式」
土地の所有者は、保有していた土地・建物の評価に見合う権利床と等価交換する。
事業者は、その土地を高度化利用することで新たに生み出された床(保留床)を売却した保留床処分金で、事業費を賄う。
また、自治体から再開発絡みで、補助金が入っているケースもある。

第二種「用地買収方式」
公共性と緊急性が著しく高い区域(地域)を対象にした方式。
pp.212〜215

【都市再生特別処置法】

2002年(平成14)制定

【近年の市街地再開発事業】

減築利用/身の丈再開発

1) 金沢:近江マチいちば館

2) 富良野:テーブルタウン
ルーバン•富良野構想

3) 稚内駅再開発:キタカラ

【気づきをもらったぺージより】

第3章 再開発はしたけれど・・・
街は開発をして終わりではなく、人々の生活はそこから紡いでいかれる。
学校も医療も生活に欠かせないインフラだ。
だからこそ、"まちづくり" においては、人が移り住んだ後についての想像力を十分に働かせること。
"まちづくり" の情報共有や連携の仕組みづくりが必要だと言えるだろう。p.146

第4章 岩手県紫波町(しわちょう)
オガール
開発のポイント①

モノを売ると云う行為で人を呼ぶのではない。
普遍的集客装置をつくる。
例) フットボールセンター
非消費者が集まる。
その後、広場が出来、その脇にカフェやショップが出来る。 
そして、ホテルや住宅が出来て来る。
例) 子育て世代のために小児科医院を建てる。近くに、病児保育の施設を建てる。
開発のポイント②
テナントの賃料は、既存の類似施設からの相対的な家賃ではなく、買い手が支払える範囲で、設定する「絶対家賃」とする。
開発のポイント③
エリアの機能が充実してから分譲地の販売を加速させる。
【Point】
紫波町(しわちょう)に移り住んだ人達が「住むなら紫波町」と、誇れる "まちづくり"
pp.171〜192.

【野澤千恵/明治大学教授】

【あとがき】

今後、この件「都市開発における超高層マンションの問題」については、新たな知見があり次第、随時 加筆するつもりです。

2024.09.14.

追記:容積ボーナスという錬金術
追記:分譲マンションは終の棲家たりうるのか(上・下)