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『社会的共通資本』を読む ②
【はじめに】
前回『社会的共通資本』を読む ① では、
第1章 社会的共通資本の考え方
第2章 農業と農村
第3章 都市 を読みました。
今回の『社会的共通資本』②では、
第4章 学校教育
第5章 医療
第6章 金融制度
を読んでいきます。
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岩波新書 (2000.11.20.)
【第4章 学校教育】
なぜ 学校教育が「社会的共通資本」なのか?
教育は、人間が人間として生きていると云うことを最も鮮明に現すものである。
社会的共通資本としての教育
教育とは、一人一人の子どもたちが持っている多様な先天的 且つ 後天的な資質を出来るだけ伸ばし、発展させ、実り多い、幸福な人生をおくることが出来る一人の人間として成長する事を助けるものである。
一人一人の子どもが持っている個性的な資質を大事にし、その能力を出来るだけ育てる事が教育の第一次的な目的である。
同時に、子どもたちが成人し、一人の社会人として、充実した幸福な人生をおくることが出来るような人格的諸条件を身につけるようにする事が、教育のもう1つの果たすべき役割である。と書かれています。pp.124〜126.
教育の出発点
言語と数学に関しては、一人一人の子どもたちが 生得的、先天的、本有的に持っている。
人類最初の文明が開花したのはメソポタミアの地であるが、それは言語を話すことと数を数えることから始まった。
生得的:性質などが生まれつきであるさま
先天的な:innate (インネイト)
本有的:性格など生まれながらに備え持っているさま
p.127
【第5章 医療】
社会的共通資本としての医療
政府は、すべての市民が保険・医療にかかわる基本的なサービスの供与を享受出来るような制度を用意する責務を負うことになる。
pp.168〜170.
【第6章 金融制度】
社会的共通資本としての金融制度
金融の歴史
アメリカの金融危機
日本の金融危機
pp.184〜201.
金融と云う高度に専門化し、経済的・社会的・政治的要素ときわめて複雑に交錯している社会的共通資本の場合、その職業的規範を明確に定義し、金融にかかわる様々な市場について、その構造的・制度的条件を整備し、経済循環の安定性を確保することは至難のことである。
p.201
金融制度を理解する
金融制度を理解するための参考資料
『経済学の歴史』根井雅弘 著
金融制度や金融危機について、直接的な記述はないが、これまでの経済学者一人一人について、考え(思想)や時代背景などを理解する上での参考になると思います。
第4章 学校教育
第5章 医療
第6章 金融制度
なぜ、この3つが「社会的共通資本」なのか?自分なりに考えてみたい。
【『社会的共通資本』を読む ①】
2023.11.19.
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