2023年秋に観たアクション続編2作の明暗【ジョン・ウィック:コンセクエンス】と【イコライザー THE FINAL】
【ジョン・ウィック:コンセクエンス】
酷い…
前作の印象や内容はほとんど覚えていないまま鑑賞。結局今作でいちばん心に残ったのは、ドニー・イェンがうどんを食っているシーン。とにかくうどんの食い方が地球一かっこいい。デッカードのうどんよりいい。
ドニー・イェンすげえ、すげえ、他遅え、すごく遅え、ドニーすげえ、で過ぎていく序盤。最終兵器ドニー・イェンの起用は、他がショボく見えてしまうという意味で大失敗なんじゃ?という気配が早くも濃厚。真田広之も刀を抜く所作の綺麗さ意外には特に見せ場なし。
中盤(長え…)に出てきた感じ悪いデブのおっさん、しかし格闘シーンになったら技が美しくて目を見張る。後で調べたらデブなのは特殊メイクで、イップ・マンに出てた人だった。なるほど。しかし何でそこでポーカーなの?やるか、そこで。
予告で見て期待してたパリの路上シーンは、…いや遅いし…
だいたい、殺しすぎだって。そもそも犬を殺されて怒り心頭がはじまりだったのに、人は「意味もなく」さくさくとゲームのように殺しまくる。人ならいいのか。乗れない。あと自分はなんちゃらスーツの袖で顔隠せばOKって、BB弾か。サバゲーか。ああ、BB弾なのか。
そんなこんな、眠気と格闘しながらようやく終盤。アクション映画といえば、クライマックスはラスボス的な相手とのタイマン…のはずだけどそれも前代未聞のショボさ。ドニー・イェンから視力を奪ってもまだ埋まらない差を意識しちゃったのか、ドニーをなるべく動かさないという、ドニーの良さを極力絞った宝の持ち腐れ形式の決闘。それにしてもこれまで主席連合だかに抗ってきた(うろ覚え)のに何故ここで奴らのルールで決闘?古式に則った?則るか?則るな。で、こういうのって最後は対決する2人の阿吽の呼吸で示し合わせてあいつを撃っちゃうとかありがちだよねなんてついつい斜めから観てたらああ、ああ…Fin.合掌
【イコライザー THE FINAL】
映画ってこれだ。
初っ端から今までのマッコールさんより格段に怖い。だがしかし、オープニングの戦いを終えた後、観客からも明らかにわかるような致命的なミス。あ、やっぱりやられた。でもわかっていてもそこは殺れないマッコールさん、「おれもヤキが回ったな」的な表情がよい。
今回あるきっかけからシチリアまで出張していたマッコールさん、偶然滞在した村には、いま世界が失いかけているコミュニティがまだ生きていた。商店街、人情、カルチョ…守りたい。アツい。土足で踏みにじる奴らは許さん。アツい。なんならくたばれ資本主義(調子に乗りました…)。
今作のマッコールさんもさくさく殺すけど、とにかく恐い。怖ろしい。最後なんて相手の死を見届けるまでただヒタヒタとついていく様はまさしく死神。明らかに怖くしている。敵である集団の描き方も、これでもかこれでもかというくらい怒濤のクズで、自然マッコールさん頼むっ!って気持ちにもなるが、微妙にクズ集団が楽しそうにパスタを頬張るシーンも入れてくる。やはり人を殺すのは重い。ではマッコールさん、何故彼は背負うのか。
物語の最後に、マッコールさんが何をしにシチリアに行ったかがわかる。そもそも救いたかったのは、2人で一生懸命生きてきた老夫婦の人生だった。アツい。死神なのに爽やかなエンディング。
そして更に大切なのは、遠く離れた地のデスクトップから副業がてらの片手間ポチポチで、人の人生そのものとも言える財産を騙し取れてしまうといういまの社会って、イコライザーひとりではもうどうにもイコライズできなくなっている。それでも今回村を守ったのは、マッコールさんと一緒に広場でスマホを掲げて戦ったコミュニティのみんな、一人ひとりの行動だったということ。アツい。こういうのを観たかったよ。
ということで、前の週には金返せくらいに思ったけど、イコライザーがとても良かった分で無事にイコライズされましたという話。