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ポップなゴア【サンクスギビング】

ジョージAロメロは、ものを考えないただの消費者になった人間を、屍になってもショッピングモールに押し寄せてしまうゾンビとして風刺したとも言われるが、イーライ・ロスはそれを直接的に人間で描いた。パンクか。ブラックフライデイの売る側の狂気、買う側の狂乱とそこにある格差。人間も一皮剥けば皆ゾンビ。人間グロい。グリーン・インフェルノやホステルで見せた鋭いメッセージ性がオープニングからフルスロットルで、このまま最後まで突っ走るのかと思いきや…

舞台がその狂乱のブラックフライデイの1年後になると、ほぼ古典的学園ホラーの定番進行となり、ところどころでスクールカーストのグロさや感謝祭そのものの植民者としてのグロさ提示、悪ノリにも近い笑えるゴア描写などをスパイスとして効かせつつも、年末年始に一家団らん(R18注意)安心して楽しく観られるスラッシャーにもなっていました。特に後半の、ハンマーでしっかり潰すけど何故か後味爽やかな頭部破壊はまさに職人芸。イーライ・ロスめ、ついに単館ロードショウではなくシネコンで上映できるような、売れるグロ、ポップなゴアというものを完成させたんだな、と妙に感心した2024年の1本め。

↓村の老若男女が協力して、楽しそうに歌いながら食材(あれ)を調理・保存する様が、何か文化人類学の資料映像のようで印象的なグリーン・インフェルノ


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