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すごいけど【アフターサン】

すごいという話を度々聞いていたので、遅ればせながら配信で観たけど…うーん、ちょっとなあ…

お父さんと過ごした休暇の思い出。話はただそれだけだけど、何かずっと違和感があったり不穏であったり。その違和感が何かは演出やら編集やらによってわかるようになっていて、またそれが何かわかったときの感情の揺さぶられ感はすごい。これだけ無駄に語らずに映像でわからせるのってこれはまたすごい作品だなとは思ったものの、でも何か乗り切れないところがあるんだよなっていうのが観た直後の感想。あえて率直に言うと、「わざわざ映画にしなくていいじゃん」って。

ちょっと後になって考えていて、例えばUnder Pressureの使い方に象徴されるかなと気づいたところです。

フレディはどんな状況を歌っていても必ず前を見て拳を固める。Under Pressureで、どんなに踏みにじられても「give love」と連呼するのは、例えばEverything Everywhere All at Once で言うところの「Please be kind 」と同様だと思うので、この話のあの流れで使うのにはどうしても違和感があるし、だから自分にとって2023年の映画としてはエブエブの方が断然良かったな。

好きではないけどすごい映画だった。ただ、すごい映画だけど好きではなかった。

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