事業承継 後継者にとって投資ってなに?
みなさん、こんにちは。
毎日、コロナと夏の暑さの話題ばかりで、今日は広島原爆投下75年目なんだと新聞を読むまで全く気がつかなかった自分に少し驚いている経営コンサルタントの堀口隆広です。
さて、本日は昨日に続き、投資について考える。
一言で投資といっても、それを定義するのは意外と困難だ。
筆者は、現在のように事業承継の支援を中心に行う前は、中小企業の事業再生の案件を多く扱ってきた。
事業が不振に陥り、借入金の返済が止まり、場合によって法的整理(破産、民事再生)に至る企業を見てきた。
会社が不振に陥る原因は各社各様であったが、目に見えるわかりやすい要因は、①長年にわたって、大きな投資を全くしていない、もしくは②過剰で無理な投資をしてきた、のいずれかであった。
いずれも、投資がカギとなっている。投資を全くしないと、企業は確実に衰退するが、投資のやり方を間違えると、こちらも衰退する。
逆に言うと、投資の方法が適切であれば、企業は継続しやすいとも言える。
また、投資の考え方は、リーマンショック以降、大きく変わってきており、従来の考え方は変容を迫られている。
これからの話は、あくまでも筆者の個人的な見解である。
投資を考える前に、まずは、経常支出と投資を明確に区別する必要がある。
経常支出とは、当期の売上に紐付く支出であり、仕入などの売上原価、一般管理費、人件費などが含まれる。支出金額は、売上に比例する変動費と固定的な経費に分かれる。
一方、投資とは、来期以降の売上や原価改善、業務改善等に寄与する支出であり、投資の効果は不確実性があり、経営者の決断が必要だ。
では、何に投資するか?
従来の投資の中心は、土地、建物、機械設備などの固定資産が中心であった。
しかしながら、リーマンショック以降、事業環境の変化が早くなるにつれて、過大な固定資産は変化に対応できなくなってきた。
筆者が見てきた事業不振企業の過大投資もこれにあたる。
そうして、今日では投資の中心は、ソフトウェアやIT、最終的には人材に至る。
筆者が考える、これからの投資は人材に尽きる。
当然、ただ単に人件費を多く払えばよい訳ではない。人材の教育、育成である。
これからは、人を育てる会社であり、また、人が入りたい会社にならないと会社の継続・発展が難しくなる。
本内容が、皆様にとって少しでもお役に立ちましたら幸いです。
可能性は無限大
堀口隆広