企業の新事業創造をシステムで支える
こんにちわ。NEWh ほりです。
気づけばもう最後にnote記事を書いたのが2.5か月ほど前という。。
久しぶりのnote記事は、
ここ半年くらいの私の関心どころの一つとして、新規事業領域における少し大きめな話を。
企業としての理想は、絶え間なく血が循環するように新たな新規事業がどんどんと生まれ続け、企業の形も変化・進化していく姿。
そのためには、新規事業という営みを個別/部分の、再現性のなく偶発の産物を期待する活動として捉えるのではなく、一つのシステムとして管理し、一丸となって支えていくべきだよね。というお話。
名付けて「新事業創造システム」。
新事業創造システムの全体像と構成要素
いきなり全体像から。
構成要素は5つ。
1つ目が新事業創造戦略。個別の新規事業活動にとっては指針となるもの。
社として、新事業に対して何を求め、どういうテーマ/領域で新事業創造を何を目指して推進をしていくのか。
この方針に則りアイデアが生まれた時に2つ目と3つ目の要素が「アイデアが育つ仕組み」としてのステージゲートと、支援の仕組みと組織。ステージゲートは、ゲートという名前から評価/選定の意味合いが強く見えるけど、
起案者にとって事業創造を前に進めていくための道標であるべきな気がする。
4つ目は個々の新規事業への取り組みの進捗、全体像を俯瞰で、ポートフォリオ的観点から管理するための管理システム。
最後の5つ目が、「発信」。これらの新規事業に関する活動が特定部署に閉じて、秘密結社のように展開されていては、企業としての変化にはつながらないので、社内社外を含めた発信の仕組み。
つまりは、
・目指す方向/方針が「戦略」として規定され、
・戦略に基づき生まれたアイデアが、正しい支援のもと「育つ仕組み」のもとで育ち、
・個々の活動は、俯瞰でちゃんと「管理」がされており、
・これらの活動は「社内/社外」に正しく発信されている。
こういう循環が一つの企業の中で機能不全なく、また各要素が有機的につながりながら新規事業という営みが展開されている状態が構築できるといいなぁと。
まさに一つのシステムとして新規事業という企業活動を捉える。というか。
少しだけ、いくつか各論にも踏み込んでみる。
新事業創造戦略の構成要素
まずは戦略。
本来的には、全社としての目指す方向性や、経営の意思、あるいは現場の意思も踏まえ、社としてこういう領域で新規事業を生み出せるといいいよね。という方向性/スコープがあり、そのスコープの中で、新事業創造に関する営みが展開されている状況が理想。
理想としてはありつつも、実態はこうなっていないことの方が多い。
当然、中期経営資料等々では、全社のビジョンや戦略、新規事業と向き合う背景や、方針は立てられ、開示されている。
だけど、それらで提示されているものは比較的概念的で、かつ人によって解釈が揺れるビッグワード的な言葉でとどめられている事が多かったりする。
それらは起案者からすると、どういう方向で新規事業を考えていくべきかの拠り所となるはずのものなんだけど、抽象度が高く、現場目線から見ると、新規事業創造における指針とはなり得ない。という。。
新規事業における前提や方向性を噛み砕き、現場にとっての指針となるレベルで可視化し、規定する。これが新事業創造戦略で向き合わなければいけない焦点。
戦略という言葉は、ビッグワードの代表格のようなものだけど、詰まるところ規定をしたいことはこの5つの要素。
・なぜ、何のために
・何を目指して、
・どこで、
・どうやって、
・何を提供するのか
5つの要素全て、具体性を伴った規定は難しくとも、
せめて、「目的」と「成果」「フィールド」あたりは固めたい。
各要素が大方針として可視化されればされるほど、経営/全社の期待値と、社の新事業創造を通じて生まれる事業やその種との整合性が高まる。
育て、支える仕組み(ステージゲート)
もう一つ少し踏み込んでみる。次は戦略に基づき生まれたアイデアを
育て、支える仕組みであるステージゲート(&インフラ)
冒頭も少し触れたけど、ステージゲートが焦点。
ゲートという言葉が強いので評価し、絞り込み、締め付けるような印象を持ちがち。もちろん山ほど新規事業の種が生まれ、リソース観点からも見極め/絞り込みが必要な会社であればゲートという言葉の通り、選定するための仕組みとして成立するだろうけど、世の中の企業の多くはそうではない。
多産多死の、多産がそもそも生まれていないことの方が多い。
その環境を前提とすると、ステージゲートが持つべき役割は絞り込みよりも、起案者にとって次のゴール(ゲート)で求められることが提示されていて、かつ、そこに至るためのステージとして、行うべき活動が提示されているということによって、事業創造という長い道のりのガイドラインというか、道標の側面の方が重要になってくる。
多くの企業にとって、ステージゲートは絞り込むためのもの、よりも
起案者を支え、アイデアを育てるための道標の側面の方が重要。
(もちろん一定目利き、選定の機能は持つけど)
ゲートとして何を見極めるか、起案者に何を求めるか
そこに至るステージとして、
どのような活動、意識を起案者に持って欲しいのか、
そして、そのステージを進んでいくために、
組織として起案者に提供すべき支援のための機能や仕組みは何か、
評価/意思決定する人、起案する人、支える人が一体となって構築されるもの。それがステージゲートなんじゃないかと。
終わりに。
まだ他にも論点/構成要素はあるのだけど、今日はここまで。
いずれにせよ、
新規事業という営みを、点で見るのではなく、
新規事業が生まれ続ける組織/企業へと変革するために、
戦略から戦術、仕組みへとつながる一つの線で捉えるという意識、
そして、
一時的な取り組みではなく、取り組みを通じて得た経験やノウハウが企業として溜まり、発信を通じて風土すらも少しずつ変えていく、という時間軸の意味を持った線で捉える意識。
これはもはや新規事業を入り口とした企業変革と言えそう。
もちろん個別の新事業創造の活動も大切だし大変なんだけど、
こういう視座の話も意識し、大事にしていきたいなぁ、とここ1年くらい考えてたりする。
以上です!
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