優しさと別れ*

彼のアパートにいくのが
億劫になってきていた頃
私は仕事でもつまづいていた。

自分の考えの甘さや
見落としがあり
取り返しのつかないことを
してしまった。
キチンと確認しておけば
前兆はあったのに
後悔ばかり続いた。
また、そのミスを取り戻そうと
必死に勉強した。

そんな時に仕事の相談に乗ってくれ
ちょくちょくメールで心配してくれて
アドバイスをくれて
カラオケで一緒になって
騒いでくれる
のちの主人になる人に
私は次第に好意を寄せる様になった。

このままだと
付き合っている人に申し訳ないので
私は電話で
好きな人ができたことを伝えた。
直接会うと
別れられない様な気がしたからだ。
彼はなんとなくわかっていた。
最後まで彼の声は優しかった。
そして悲しそうだった。

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