【雑学】名無しの権兵衛とはなんなのか?
こんにちはマスター、蓬莱です。
今回は、「名前のわからない人をなんて呼ぶ?」というお話です。日本ではこのような人を「名無しの権兵衛」とよく言いますね。では、海外ではどう言っているのか?など、「名無しの権兵衛」にまつわる情報を集めてみました。そしてなんと、「名無しの権兵衛」は女性だったという説もあるんです。
名前のわからない人を「名無しの権兵衛」と言いますが、この言い回しの由来は幾つかの説があります。
その中の有名なモノの一つは東京都赤坂にある日枝神社のあたりで歌われていた手毬唄の歌詞に「名主の権兵衛」というのがあり、名主とは地域の名主、つまり代表者で、そこそこの権力があり、領主への納税も行っていた人たちを指しました。その「名主の権兵衛」が長く歌われるウチに「名無しの権兵衛」になったのでは?と言われています。
それとは別に江戸時代の深川の門前仲町の歓楽街で「名無しの権兵衛」との言い回しが生まれたという話がありまして、実は江戸時代の深川の歓楽街は幕府の公認が得られず、正式には遊女という商売の為の女性スタッフを雇い入れる事が出来なかったそうです。
そこで、遊女に男性の名前を騙らせることで、幕府の目を逃れて営業をしていたとか。女性スタッフに男の呼び名を付けて雇っていたのですが、その名前を「権兵衛名」と呼びました。水商売の源氏名と少し似ていますが、女性に付けられた男性の名前、権兵衛名から、「名無しの権兵衛」という言い回しが生まれたとも言われているんです。
「名無しの権兵衛」の様な言い回しは、海外にもありまして、多くは男性と女性で違のですが、日本では女性を指す言い回しが見当たらないのは、名無しの権兵衛の元が女性を表していたから・・・というのは妙に説得力がありますね。
ところで、この「名無しの権兵衛」は、英語圏では男性だと「ジョン・ドゥ」、女性(じょせい)では「ジェーン・ドゥ」と呼ぶそうです。この言い回しは特に身元不明の遺体、または身元が未確認の人物が法的に扱われる場合の定番になっています。
この言い回しは中世の英国から始まっており、「ジョン」も「ジェーン」も英語圏では頻繁に名前に使われる事、「ドゥ」は一説によると、雌の鹿を意味しますが、人の名前で使われていないことで採用されたとか。これは14世紀、英国のエドワード三世の時代に法的文書に採用され、裁判では架空の名前を原告側を「ジョン・ドゥ」、被告側を「リチャード・ロウ」と呼んだそうです。なお、この特定の使用法は1852年に廃止されたとか。
話が変わりますが、1979年にアメリカ合衆国のロサンゼルスにて、身元不明の東洋系の女性のミイラ化した遺体が発見され、身元不明の88番目の遺体という事で「ジェーン・ドゥ88」と呼ばれまして、これが1984年に歯型による照合によって身元が確認され、それが事業家の三浦和義氏に絡んで行方不明になった女性であり、「ロス疑惑事件」の有力な手がかりのひとつとなったそうで、この遺体をめぐる件はロス疑惑事件の中では、この件は別に「ジェーン・ドゥ88事件」と呼ばれているそうです。おそらく日米両国で最も有名になったジェーン・ドゥでしょう。
また、「名無しの権兵衛」の言い回しは、中国だと張三李四というそうで、ありふれた名前の「張」と「李」、そして数字の三と四が組み合わさっています。この数字は兄弟につける順番を指す排行という風習からきているそうです。
他に、イタリアでは「マリオ・ロッシ」や「ピンコパリノ」、ポーランドでは「ジャン・コワルスキー」と「アンナ・コワルスカー」、タイだと「ソムチャイ」と「ソムスリ」、アラブ世界だと「フラン」と「フラーナ」など、こういった言い回しは世界中にあるみたいですね。
ちなみに、プログラミング言語にも適当に意味のない名前を使うことがあり、総称してこれをメタ構文変数と呼ぶようです。これも各国によって違いがあるのですが、日本だと「hoge」とか「fuga」とか「piyo」とか「hogehoge」が人気のようですね。ちょっと響きが可愛いです。
今回はウィキペディアの「名無しの権兵衛」、「ジョン・ドゥ」、「メタ構文変数」などの項目からお話しました。
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