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担々麺じゃなくても

ものごころついた時にすでに気がついていた。

自分はいつも「みんなが見ている」のとは違うところばかり見てしまう人間なのだと。社会の中で「当たり前」と思われていることが、どうしてそれが当たり前として通っているのか疑問に感じてしまう、そういうめんどくさい性格に生まれついてしまった。

最近気にかかっている「当たり前」は、どうして担々麺の時だけ穴あきレンゲが余分につくのだろう、ということだ。

いやいやわかってますって、担々麺はひき肉中心の具だから、スープの底に沈んでしまうひき肉たちをしっかりすくいきるためにそれが用意されるんだよね。

でもおかしくないか? どうして「担々麺だけ」にそれがついてくるのだろう。

近年健康の観点から、ラーメンのスープはラーメン屋さん自身が「全部は飲み干さないほうがいいですよ」と言っていることが多い。

それを前提に考えると、担々麺のようにひき肉でなくても、味噌やら醤油ラーメンやらのスープの中で見えなくなっている具材はたくさんあって、飲み干さずに食事を終えるとそれらをしっかり食べきることができないままになってしまうのだ。

麵の切れ端とかも沈んでしまって全部食べきれないことのほうが多いだろう。となると、担々麺じゃなくても穴あきレンゲを用意して、スープ以外の具材をしっかりとすくえたほうが良いと思うのだけど、なぜかそれをつけるのは担々麺のみ、ということが当たり前になっている。

フードロス、SDGs的にもどうなんだろう。スープの中で具や麺の残りが無駄になっているわけだから。

そんなこんなで、先日ラーメン屋でひき肉メインの味噌ラーメンを食べながら「なんでこれには穴あきレンゲついてないのかなあ」と思いつつ、箸とふつうのレンゲで一生懸命具材をすくっていたのだった。

ちなみに僕の好きなラーメンの種類はダントツ1位が担々麺、その次が塩、次いで味噌、とんこつと続く。日本で一番普及している(と思われる)醤油味は一番下位。

ああ、こんなところにも僕のめんどくさい性質が出ちゃってる。

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オラシオ
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