離島移住体験で図書館通い:利尻島編 5)島内図書室全部行ってみた
8月終わりごろから9月の上旬にかけて、利尻富士町のワーケーション・お試し暮らし事業を利用して利尻島に滞在してきました。
この事業の最大のポイントは「真剣に移住を検討していない人でも利用できる」ということです。町としては即移住につながらなくても、この事業を体験した人の発信や口コミで関係人口が増えて行けば良いのだそうです。
僕は新聞連載「図書館ウォーカー」の作者でもあるので、やはり島の図書館に興味がありました。事前に調べたところによると、島内には4つ図書室が存在します。
利尻島は丸い形をしていて、道路が一周してつながっているので、公共交通の役割を担っている宗谷バスを使って島内のどこにでも行けるのです。というわけで、利尻島の4つの図書室について写真多めでリポートします。今回はこの利尻島滞在記の最終回になります。まず、その前に・・・
滞在記過去記事リンク
稚内からの利尻島の眺め&利尻島へのアクセスについて
滞在施設コンドミニアム旅番屋について
滞在した街「鴛泊」について
島内の観光名所について
利尻富士町
利尻富士町は大きく鴛泊と鬼脇の2つのエリアに分かれます。鴛泊は島で一番の規模を誇る中心地で、鬼脇は島南部のひなびた住宅街。そのどちらにも図書室があります。
利尻富士町役場内図書室
鬼脇公民館図書室
利尻町
利尻富士町のお隣、利尻町もまた大きく2つのエリアに分かれています。沓形と仙法志です。沓形は島第2の街で、間延びした鴛泊とは違ってきゅっとコンパクトにまとまっています。仙法志は島最南部にある集落でかなり小さいです。どちらの街にも図書室があります。
利尻町交流促進施設「どんと」郷土資料室
本庫屋書店さんでは、この沓形を拠点にする日本最北の出版社「淡濱社」さん↓のZINEを1冊購入。本棚の一番下の段が「貸出用」みたいに書いていて「図書室の出張コーナーですか?」と訊いたら「この辺の人が余った本を置いていくんですよ。なにか気になる本があったらどうぞ借りていってください(笑)」と旅行者丸わかりの僕に対してジョークで返してくれました。駅によくある有志の本棚みたいなのが書店の中にある、ということみたい。
利尻町公民館図書室
総評
以上、利尻島内4つの図書室の模様でした。
島で唯一、いわゆる「図書館」らしい施設と言えるのは沓形にある利尻町交流促進施設「どんと」郷土資料室だったと思います。施設もきれいで図書館員さんもいて、視聴覚資料などもありました。沓形は街もコンパクトだし、僕のような車が運転できない人間には鴛泊よりこちらのほうが住みやすいかなあと思いました。
滞在した利尻富士町の2つの図書室だと、蔵書の質的に頑張っているのは鬼脇公民館図書室です。図書室自体は狭いのですが、ぎゅぎゅっと本が詰め込まれていて、例えば本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」なんかも新着コーナーにあって、むしろ僕が借りたかった(笑)。
鬼脇公民館訪問時、ロビーに大量の蔵書リサイクル本(好きなの持って行って)が置かれていたのですが、それはつまり、大量に新しい本を入れたということです。また町役場のほうの図書室に出張コーナーも設けていて、図書館的役割はむしろ鬼脇のほうが担っているのだなと思いました。
鴛泊は1週間滞在してすごくいい街だと思ったので、図書室だけはもう少し頑張ってくれたらいいのになあと。でもオープンスペースで広々ロビーの中にある役場の図書室はそれはそれで居心地良くて、3度通い、うち1度は淡濱社さんの作品や、島とか北海道関係の本をじっくり読ませていただきました。飲み物とかも飲んでいいですし、ソファーも大きくてのんびりします。
利尻島の4つの図書室を全部行った人は島内在住者でもほとんどいないと思うのですが(笑)、それぞれに味があって良かったです。どんとは完全に確認できたわけではないのですが、全ての図書室が僕の設定する「海が見える図書館」の条件に当てはまっていました。
すでに利尻ロスです。今回は夏でしたが、春とか秋にまた長く滞在したいなあと思っています。ではでは、利尻島シリーズお読みいただきありがとうございました。僕が今回利用した利尻富士町のワーケーション・お試し暮らし事業↓について気になった方はぜひ一度検討してみてくださいね。
さいごに。フリーランスなので取材費や経費はすべて自費で賄っております。図書館ウォーカーを応援したい、面白かった、note更新が楽しみという方はサポート、投げ銭などしていただけると大変うれしく思います。ありがたく経費に充てさせていただきます。お読みくださりありがとうございました。