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「できない」が拡げる可能性

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時々新聞連載の「図書館ウォーカー」でも書いているのですが、僕は元「登山少年」です。

図書館勝手ゴライズ「海が見える図書館」を激推ししているので「海が好きな人」というイメージを強く持っている読者の方もいらっしゃると思います。が、10代のころは僕にとっての旅のほとんどは登山でしたし、運動神経まったくなしの自分が真剣に取り組んでいた唯一のスポーツでもありました。

登山をするようになったのは父の影響です。青年の頃から登山にハマっていたという彼がやがて、母と小学生になった僕を一緒に連れて行くようになったのは自然な流れでしょう。

ただしそれはレジャー的「山登り」ではなく、もっと本格的なものでした。テントや寝袋、食料を詰め込んだ重くて大きいリュックを担いで2,3千メートル級の山中を何日間も移動するのです。

詳しくは書籍「図書館ウォーカー2」の白馬村図書館(長野県)の回でご覧いただきたいのですが、もともと体力や筋力に恵まれていない僕は、父に連れられた最初の「登山」は早々に脱落しました(笑)

毎年の登山は楽しい思い出しかないから良いのですが、大学入学と同時に登山をやめてしまった僕とは違い、いつも父と一緒に山に入る母からすると、その登山観がとても頑迷なことがだんだん見えてきたそうです。

上で書いてきたような本格的な登山をするには、当然本格的な山々が存在しなくてはなりません。父は、北アルプスしか眼中にないし、その他の山には全然登りたいと思わないようなんですね。

母は「父が連れて行くから興味がないけど登山していた」というような従順な性格ではないので、彼女自身も山が好きになったから登っていたわけです。そんな母としたら北アルプス以外の山にも行きたい。しかしいくら父を北アルプス以外の登山に誘ってもまったく興味を示さないらしい。だから母は一人で、またはツアーなんかに参加していろんな山を登っています。

そんな「北アルプス・ファンダメンタリスト」だった父ですが、先日帰省した際、こんなことを言ってました。

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