俺のおやじ、ミノル 【其ノ拾】俺のおやじ、ミノルは、俺の友人にポ◯ノカレンダーを配ったことがある
俺のおやじ、ミノルは、しがない印刷工である。
あれは、俺が小学5年のときだった。
家に遊びにきていた俺の友だちに、
「おう、これもってけ!」
と、おもむろに丸められた大きな紙の筒を突き出した。
それは、
カレンダーのサンプルだった。
だが、そこは俺のおやじ、ミノルだ。
ただのカレンダーではない。
おやじが広げてみせたそのサンプルは、
なんと、
ポルノカレンダーだったのだ!!!
さすがにふだんち◯ぽま◯こと
すけべな言葉を連発している友だちも、
それを目の当たりにして、
ごくんと生唾を呑み込んだ。
そして、ページを括るまでもなく
「い、いや、いいです…..」
とおやじに差し戻したのであった。
そりゃそうだよな。
仮にもらって帰ったとして、
家のものにどう言えばいいのか !!?
「◯◯のお父さんにもらったんだ」といって、
「ああ、そうかい」では済まないだろう。
この日から、
ミノルは俺の友人たちから一目置かれるようになった。
恐るべし、俺のおやじ、ミノル。
ヒロシ
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実家にいた頃は、俺にはおやじはいるのか?と思うくらい、夜遅くまで呑みあるっていて顔を見る機会も少なかったおやじ、ミノル。晩年は缶ビール1本を飲むか飲まないか、というレベルの酒量でしたが、それでも楽しく嗜んでいたようです。おやじへの酒代として大切に使わせていただきます。