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『ウーリーが黒い獣たちと出発したってよ』

現実の世界が忙しくたって、妄想はしちゃうもので…。

書く時間がなくて、なかなか大変で、頭の中も忙しい時はそんなこと考えてる暇もないんだけど、ふと頭に浮かんでしまうこともあって。
キャラたちが動き出して、あー、書きたい、けど書けないが行ったり来たりしてて。

明日からの仕事を考えると、早めに寝た方がいいとわかっているのに、どーしても書きたい私もいて…。

ってなことで、書きますよ。


こちらの物語は、たくさんの方が書かれているので、そちらにも目を通していただけたらもっと楽しく味わえるかと思います。

ってなわけで、うりもさんのマガジンをペタリ。

わかりやすくまとめてくださっている彩夏さんの記事をペタ。
彼女、実はウーリーの奥さんのカイサー役でございます。
出来る女ですなぁ。


今回のお話にちょっと関係する話だけはくっつけておこうかな。

ゆきママさんのスピンオフ。


ようやく本人が書き始めて、ようやく出発することになったこちら。

うりもさんのこの記事と、これの前の記事、なんと妄想せずに書いたって言うんだから驚き‼️
何やらある一定の法則に従ってなんちゃらとか…。
私には傾聴する特技がないので軽くスルーさせていただきますが、妄想せずに物語が書けるってある意味天才じゃね?

私は頭の中でキャラたちが動き回って、物語が動き出すけど、それを活字にするのが追いつかなかったり、なかなかいい表現が出来なくて、自分の文才力のなさにがっかりしちゃうのよねえ。

そして、キャラたちもいい感じに動かして、読んでいる人たちに情景が浮かぶ表現を巧に使い、物語に深みを出す天才的なたねさんの記事。
ウーリーが出発した時の話。

これらをお読みの上で読んでいただけるとより一層楽しく味わってもらえるかと思います。


『ウーリーと黒い獣たち』

今回のお話は、前々回書いた『渡る世間に巫女三人』


こちらのお話の3日後の話…。

〜ウーリーが黒い獣たちと出発したってよ〜編


「いやぁ、あの3日間はマジで地獄みたいだったねえ」

「地獄というのは、もっと恐ろしいものです」

ヤーパの言葉に冷静なツッコミを入れるフーヤ。

「雨はちょっとしか降らなかったけど、まぁ、今日は楽しく打ち上げしようよ」

「ミーラーはほんと昔から打ち上げ好きだよねぇ」

「えー!そう言うヤーパも好きでしょ!」

「好きなわけないでしょ。大好きだしっ!

「さすが、パーティピーボーですね」

「いやいや、そういうフーヤも好きでしょ!」

「まぁ、私も嫌いではありませんね」

3人は巫女高校の同級生で、同じ巫女部。
バラバラな性格にも関わらず、なぜかよく一緒にいた。

「けど、ほんとあの雨乞いでちょっぴりしか雨が降らないとかってありえないよねぇ」

「ズンチャッチャで頑張ったのにねぇ」

「バラバラではありましたが、三日三晩頑張りましたね」

「あれはまさに雲外蒼天ってことだったのかねぇ」

「おお!さすがヤーパ!公文の先生らしく難しいこと言うねぇ!」

「公文の先生関係ないって!」

「しかも雲外蒼天って、どんな試練でも、努力して乗り越えれば快い青空が望める という意味ですよ」

「晴れてるじゃーん‼️」

ギャハハハハ。

3人で笑いあったあと、さらに大きな声でヤーパが笑い出した。

「ギャハハハハ!ヤバッ!ゴリラがいるんだけど!」

私とフーヤがヤーパの指差す方を見ると、そこには大荷物を抱えたウーリーと、黒いモフモフした衣装をまとった3人組がいた。

「ヤバッ!檻から抜け出してるじゃん!!」

「誰がゴリラやねん!!」

相変わらずキレのいいツッコミで返すウーリー。

「そういえば、今日ようやく出発したと、風の噂でお聞きしてました。ゴリラさん」

「だから、誰がゴリラやねんって!」

フーヤの真面目なボケに真面目にツッコむウーリー。

「今日は幸楽お休みですか?」

「あ?え?あ!角野卓造じゃねーよ!」

「さすが、映画の公開を控えてるだけあってツッコミも鋭いですね」

「えっと…あ!マイケル・ムーアじゃねーわ!」

「いやいや、ミーラーさん!そのボケはないですわぁ。怖い怖い」

「いやぁ、さすがウーリーさん!」

「ホンマ勘弁してくださいよ」

私の無茶振りにもちゃんとツッコむウーリー。

「あー!いたいた〜!」
そこへコチョリーがやってきた。

「コチョリー!」

「打ち上げ場所のユッキーのお店に行く前に、べしゃり屋に寄ったら、ボーチャが『たぶんウーリーはんはまだその辺をうろちょろしてるに決まってるでぇ』って言って。これ、持たされて来ました」

そう言ってコチョリーが自分のリュックの中から取り出したのは、ぶつ切りにされたタコと荒いみじん切りのキャベツと卵、そして怪しい白い粉だった。

「ウーリーはんに持たせるの忘れてもうたぁって言ってましたよ」

「いやいや。もう勘弁してくださいよ。荷物パンパンですわぁ」

「ってかさぁ。ここでみんなでタコパーしない?」

ヤーパは言うか否やウーリーから荷物を奪い取り、たこ焼きセットを取り出した。

「あぁ、ええですねぇ」
「賄いですねぇ」
「自分、カレー食べたかったんですけどねぇ」
「カレーは、さっき食べてたじゃないですかぁ」
「タコパーなんて久しぶりですよ」

黒いモフモフの衣装を着たヒヤトラーズたちも口々に言いながら近づいてくる。

ちょうど道の脇には木で出来たテーブルと椅子があり、そこでたこ焼きを作ることにした。
フーヤがテキパキたこ焼きの準備を始めた。

「あれですよねぇ。ミーラーさんは、フーヤさんとヤーパさんと高校の同級生だったんですよねぇ」

「そそそ。同じ巫女高校の同じ巫女部」

「フーヤは、風を司る巫女で、ヤーパは雲を司る巫女。で、私が水を司る巫女ね」

「あぁ、そうなんですねぇ」

「あぁ、で、こちらの劇団コチョザップ座のコチョリーさんとは…」

「中学まで同じクラスで仲良かったのよ〜」
「ねぇ」

「はぁ。そうなんですねぇ。なんか、素敵ですねぇ」

「素敵とかはないけどねぇ」
「ねぇ」

「なんか、お2人の出会いのエピソードとか、お2人の思い出のお話とかって、あったりしますぅ〜?」

こんな時でも傾聴をするウーリー。

「あれよねぇ。私たちの出会いは…」
「ホント、最悪だったよね…」

「え?なんですかぁ?気になりますぅ〜。良かったら教えてくださいよぉ」

「私たち、中学の頃は相当な悪で…」

「リリアンのミーラー。折り鶴のコチョリーって恐れられていたんだよねぇ」

「ん?なんか聞いたことがあるような…。ってか、誰もヨーヨー持たへんのかいな!しかも折り鶴って、弱ない?」

「あの河原で喧嘩したことも…」

「ええ?喧嘩ですかぁ?それは穏やかじゃないですねぇ」

「一対一でタイマン張って、2人でぼろぼろになりながら河原に寝転んで…」

「あんた、結構強いな」

「あんたも相当やるじゃない」

「そう言って熱い握手を交わした日…」

「えぇ。青春ですや〜ん」

「そんな妄想をしていた教室の隅っこの後ろの席で」

「え?なんの話ですの?」

「え?そんな妄想してたっていう中学時代の話」

「え?妄想ですか?」

「妄想ですけど、何か?」

「いやいや、自分は、何を聞かさせてたんですかね?」

「だから!妄想って言ってんじゃん!」

「あぁ、妄想ですかぁ。いや、てっきり本当にあった中学の時の話かと思って聞いてたものですから…」

「妄想してたって話は本当なんだから、本当っちゃあ本当だよねぇ」

「え?妄想の話も本当の話なんですか?いやぁ。妄想って、深いですねぇ。自分は、妄想が出来ないので、尊敬しちゃいますぅ」


「ちょっと!妄想話聞いて尊敬とかしないでください」
たこ焼きを作っていたフーヤがつっこんできた。

「マジでウーリーウケるんだけどぉ」

そう言うヤーパの手にはビールがあり、すでに一本飲み切っていた。

「はい。出来たよ。たこ焼き風たこ焼き」
と、熱々のたこ焼きを差し出すフーヤ。

「たこ焼き風たこ焼きは、もはや、たこ焼きでしかないですぅ。ひゃひゃひゃ」
ウーリーは小さい声ながらもちゃんとツッコみ、1人笑っていた。

たぶん、これがフーヤのボケなのか、本気なのか分からなかったから小さい声でツッコんでいたのだろう。


そんなフーヤの言葉にもウーリーのツッコミにも気にせず、我先にと、食いつくヒヤトラーズたち。
「熱っ!」
「あっつつつっ!」
「あかん。舌ヤケドしてもうた」

「なんか、ええですねぇ。みんなでタコパー。しかも野外で」

「イェーイ!楽しいねぇ」
ヤーパは、いつの間にかズンチャッチャと踊り出していた。

「雨が降らないから野外で出来ることだよねぇ」

「雨、全然降らないよねぇ」

「雨…」

「ちょっ!ウーリーさん!こんなところで油売ってていいんですか?」
フーヤの言葉にハッとするウーリー。

「あかん…。またやってもうた…」

「いっつもですわぁ」
「このゴリラ、なかなか出発せーへんし、やっと出発した思うてもなかなか前に進まへんねん」
「計画がぁとか、準備不足とか言ってなぁ」
「どこへ行ったらええんですかぁ?とか言って全く進まへん」
「ほんまに勇者なんかのお?」
「まぁ、自分は、勇者でも勇者じゃなくても日当と、賄いが出たらそれでええですけどねぇ」

たこ焼きをパクパク頬張りながら次々に話し出すヒヤトラーズたち。


そこへ
「ヤッホー」と、ユッキーがやって来た。

「巫女3人と、コチョリーが打ち上げするのに来るって言ってたのに、なかなか来ないからぁ」

そう言うユッキーの右手には、缶ビールが。

「ポーチャがたぶんまだこの辺でうろちょろしてるんちゃうか?って、ビールくれた〜。ってか、ウーリー久しぶり〜!相変わらずゴリラだねぇ」

「誰がゴリラやねん!」

「あ。お二人は兄弟のようにお育ちになられてたんですよねぇ」
フーヤが言うと
「そそそ。兄弟のようにお育ちになられたのよ。このゴリラと。うひゃひゃひゃ」
と、ウーリーのような笑い方をするユッキー。

2人は血の繋がりはなくても共に過ごしてきた時間があったのだと想像させた。

「ちょっと、ウーリー。あんた出発するんだったら、ちゃんと母さんに挨拶に行きなよ」

「あぁ、ラブコ母さんですねぇ。それは考えてましたよ」

「最近はバナンナも採れなくなって来て、母さんも売るものがなくて大変って言ってる」

「ですよねぇ。早く雨が降るといいんですけど…」

「ってか、早く出発しなよ!」

「あ、ですよねぇ」

「え?雨乞いしちゃう?今?」
私が提案し、みんなで踊り出す。

とは言え、ヒヤトラーズたちは踊ることなく、たこ焼きを食べ続けていた。

そして、例の如く全く合わない雨乞いダンスを行なっていた。


そこへ
「あんた〜‼️

ウーリーの妻のカイサーが鬼の形相でやって来た。

「うわわわわ…」
慌てるウーリー。

なのに
「うひゃひゃひゃひゃ」と笑っている。

このゴリラ人、大丈夫だろうか?と、心配になる。

「まさかと思って来てみたら、まーだこんなとこにいて!!どうなってるの?」

「いやいや、ちゃうねん。行こう思ってなぁ。歩いててん。なのになぁ、そこにあの有名な巫女3人が来て、タコパーしようってことになってなぁ」

「あぁ、ほな、しゃあないかぁ。…ってなるかーい!」

「ごめんごめん。ごめんて」

「謝って済む思うなよ!」

「いや、ほんならどうしたらええねん」

「うわうわうわ。これですわぁ。みなさん、お聞きになりましたかぁ?この開き直り」

「聞きましたよ。酷いですねぇ」

「酷いでしょ。いつもこうなんですよ」

「いやいや、酷いことあらへんがな。なんで?なんで俺が責められなあかんの?」

「そりゃ責められても仕方ないですよ」

「いやいや、フーヤさんまで…」

「酷いでしょ…」

「いやいや、カイサー。確かに出発したのに、まだここにいたのは悪かったよ。けど、そんな責められることかなぁ…」

「あー、出た出た。いっつもこうですよ。『なになに?自分行くって言うてないやーん』って言うんでしょ?あんた、腹括りなはれや!」

「そうだ!そうだ!」
みんなでカイサーの味方になる。

「ちょっとちょっと。なんですかぁ?このアウェイ感。俺、勇者ですよね?」

「うわっ!また出たよ!都合のいい時だけ『自分勇者ですよね?』的な?」

「あぁ、今のは完全にアウトだね」

「うわわわわ。ヤーパさんまで!」

「自分は勇者に選ばれたけど、それは自分の意思ではない。仕方なくです。けど、勇者なんだから、ちゃんと敬意を持って接してほしいみたいな感じよね」

「いやいや。そんなこと一言も言うてないですやん!勘弁してくださいよ。ミーラーさん」

「ウーリーさんは、勇者としての自分を奉ってほしいってことですね」

「コチョリーさん!だから、そんなこと、一言も言うてないんですって!」

「カイサーさん。大変でしたねぇ。まずはたこ焼き風たこ焼きでも食べて元気出してください」

「ごっつぁんです!」

「いや、めっちゃ元気あるがな」

そうこうしているうちに日が暮れた。

この日ウーリーが進めたのは僅か800メートル。

無事前に進み、ターリキィの国を救うことが出来るのか?

頑張れ勇者ウーリー‼️
頑張れヒヤトラーズたち‼️



誰かに…続く…。


最後までお読みいただきありがとうございます😊


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