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ラストラン
昨日は息子のラストランだった。
息子はガチメンバー(1位を狙えるチーム)の方ではないチームのアンカーを任された。
去年も息子はアンカーを任されたけれど、インフルエンザに罹ってしまい、出場出来なかった。
なのでたぶん先生がその時の分ということで任せてくれたのだろう。
今回の駅伝は、まぁまぁ大きな大会ではあるもののこの大会で優勝すると全国に行くとか、そういうのはない。
私はこの駅伝が日曜日に行われると木曜の夜まで思い込んでいた。
なので、土曜日に下見に行って、どこら辺で応援するとか、車をどこに停めようかとか考えようと思っていた。
が、駅伝の日が土曜日ということで、下見をすることなく、当日を迎えてしまった。
去年息子の代わりにアンカーを走ってくれた後輩のお母さんに連絡を取り、どのような感じだったのかを聞いてみたところ、途中スーパーの駐車場で応援してからゴール付近の駐車場まで行っても間に合ったということを聞いたので、同じようにすることにした。
当日息子をスタート地点まで送り届け私は移動。
息子には
「タイムは気にしないで。とにかく楽しんで」
「笑顔でゴールしてね」
と言うと
「そのつもり」
とのこと。
「お母さんにファンサしてね」
と言うと息子はうなづきながら少し苦笑いしていた。
(ファンサとは、ファンサービスの略。アイドルなどが手を振ったり、投げキッスをしたり、ウインクをしたり、指ハートをしたりファンに向かってポーズをしてくれるものである)
教えていただいた場所は、公園付近に停めて、少し歩いてスーパー駐車場の前で応援したとのこと。
だけど私は寒さと歩くのが億劫だったので(少しの距離なのに)スーパーの駐車場に停めてギリギリまで待つことにした。
息子を送り届けてから約2時間。
警備員や警察の方、応援する人たちが増えてきた。
駅伝を主催する会社の人が応援の旗を配り、私にもくれた。
…動画を撮るには邪魔だけど、仕方ない。
各所で応援している親御さんたちからグループLINEで写真や動画が送られてくる。
息子もタスキをもらいスタートした。
そろそろ私がスタンバイしている場所にもアンカーたちがやってくる。
一般のチームの1位が過ぎた後、高校生チームの1位が来た。
残念ながらうちの息子の高校ではなく、ライバル校。
遅れて1分くらいで息子の高校のガチメンバーのチームが来た。
「頑張れ〜」
動画を回しながら応援した。
動画を撮っている時は声出しをしないようにしていたけど、もうラストなので声を出して応援した。
私の声が入ってて恥ずかしいけれど、グループLINEに動画を送る。
さて、次は息子のチームだ。
息子のチームはガチメンバーではないにしろ3位か4位くらいで来るものと思っていたのに、なかなか来ない。
ドキドキしてくる。
息子、差し込み入ったのか?
足が動かなくなったのか?
脱水か?
いや、まだ脱水を起こすにはそんなに距離を走ってないはずだけど…。
靴の紐が解けたのか?
転んだか?
色んな不安が私の頭をよぎる。
高校チームが何チームか過ぎてから集団に紛れて息子がやってきた。
遠目で見ていてもそれほど悪い走りではなかった。
息子、お母さんはここにいるよ〜と、さっきいただいた旗を大きく振り、ジャンプしてアピール。
あ、動画撮ってるんだった。
動画、ブレブレである。
息子は私に気づき、集団より少しだけ前に出て、何やらポーズをして笑顔で走っていった。
楽しそうだ🥰
「頑張れ〜」
「楽しんでねぇ〜」
ブレブレで息子の走りがあまり映っていない上に、私の大きな声が入っている動画は誰にも見せられないものになった。
さぁ、次は私も勝負だ!
ここからゴール付近の駐車場まで行かなくてはならない。
私の意気込みとは裏腹に、スーパーの駐車場は、駅伝の規制によりなかなか出られず、初っ端から足止めを食らった。
そうか。
だから教えてくださった方は近くの公園に車を停めていたのかと、この時わかった。
悔やんでも時すでに遅し。
ようやくスーパーの駐車場から脱出し、息子が走って行ったコースを車で進む。
途中分かれ道があり、そちらには規制がかかって車では行けないので、その前にもう一度息子が走っているところを見たいと思っていたけど、かなり時間が経っていたし、道は案の定渋滞していたので、間に合うか心配だった。
が、分かれ道の少し手前で息子の姿を発見。
まだまだいい走りをしている息子。
いいぞ!
窓を開けて
「頑張れ〜」
と大声で叫んだ。
バックミラーで息子の様子を見ると、笑顔で走っていた。
私は方向音痴なので、携帯のナビを使って駐車場まで向かっていた。
駐車場までの時間○分と出ている。
道はまだ混んでいた。
間に合うのか?
1位、2位のチームがゴールしたと連絡が入る。
ヤバイ。
焦るけど車はなかなか進まない。
ようやく駐車場付近まで来たが、そこもやはり渋滞。
ゴール付近に近づけば近づくほど車は動かない感じだ。
ナビが案内していた駐車場まで行くのは難しそうなので、少し遠い駐車場に停めて歩くことにした。
私も走る。
が、普段全く運動していない私には1分もしないうちに動悸息切れが襲ってきてすぐに歩き出した。
気持ちは急いでいるが、足もプルプルする。転びそうだ。
息子が走っている動画が送られてきた。
そこは私が歩いているところより先の映像。
あ…これ、絶対間に合わないやつ…。
息子のゴールに間に合うためには、私は息子を走って越さなけば見れない。
息子を走って越すなんてことは絶対ムリ。
息子が小2の時、すでに私は自転車でも越せなくなっていたんだから…。
早歩きでゴールに向かう。
「こちら最終ランナーです」
という後方車両が行く。
あぁ、完全に終わったわ…。
ゴールまで行くと、去年息子の代わりに走ってくれた子のお母さんがいた。
「ゴール、見れなかった…」
息を切らしながら言う私に
「私、ゴール前で見たけど、すごくいい走りだったよぉ」
と言ってくれた。
広場の方にいる息子の元へ向かい
「お母さんゴール見れなかったよ」
と言うと
「何やってんだよ!
お母さんのために俺、King & Princeのポーズしてゴールしたのに」
と言われた。
え?嘘。マジで⁉️
私はこの日、King & Princeのトレーナーを着て、海人くんのメンカラであるひまわりイエローのスカーフを巻いて、れんかいカラーと言われる黒と黄色の靴を履いて行ったというのに…。
準備は万端だったのに、生で息子のファンサを受けられなかった…。
悔しさが増す。
息子は
「すっごく楽しかった」
「ちょー気持ち良かった」
と、高橋尚子選手と北島康介選手がオリンピックで発した言葉のようなことを言っていた。
11キロちょい走ったとは思えないほど、疲れを感じさせず、本当に気持ちよくゴール出来た様子でニコニコしていた。
何かをやり終えた後ってこんなにもいい顔をするんだ。
良かった。
本当に良かった。
ゴール見れなくて、King & Princeのポーズも生で見れなかったけど、この笑顔。これが見れて、この言葉が聞けただけでも嬉しかった。
息子のチームの子たちはこの日、差し込みが入ってしまったり思うようないい走りが出来なかった子も多かったらしい。
チームとしての順位は思わしくなかったけど、ニコニコしながらゴールした息子にたくさんの方が
「あなたがアンカーで良かったよ」
と言ってくださったようだ。
最後、記念撮影をしているときに、他のライバル校などの選手たちと上着を交換したりして写真撮影をした。
なんか、そういう垣根を超えて笑顔でわちゃわちゃしている姿を見たらアオハルだなぁ、素敵だなぁと思った。
雪が降る予報だった天気も青空が広がっていて、すごくいい写真が撮れた。
息子のラストラン、私はゴールを見ることが出来なくて残念だったけど、息子が楽しんで笑顔で終えることができて本当に良かった。
帰り道、大きな神社に寄り、お礼をして帰ってきた。
明日からは部活もなくなり、朝練ももちろんなくなる。
息子は明日から電車で通うことになる。
私が息子を送迎することも終わった。
往復で約1時間弱かかる送迎は、大変だったけど、なくなると思うとちょっぴり寂しくも感じる。
最後までお読みいただきありがとうございます😊
しあわせをありがとうございます💖
うちなる平和を💕
シュカポン🐼