短編: 闇の中に浮かび上がる
バカが量産されて無性に腹が立つ。
私が書くブログを褒めない奴等を片っ端からブロックする。
周囲はバカな人ばかり。
私が褒められないのは、連中に見る目がないから。
いや、陰で貶めている連中がいるのだと思う。
陰謀は絶対にどこでも潜んでいるもの、私みたいなインフルエンサーには特に。
常日頃からみんなへ有益な情報を与えてあげているのに、私の有り難みが分からない連中は、
「チクりんさん、冷静になりませんか」
的外れなコメントをしてくる。
私はいつも冷静じゃないの。
誹謗中傷する害虫は居なくなればいいのに。
バカって本当に嫌いよ。
すぐに私を裏切っていく。
ブログサイトでは輪ができ、周囲の笑い声が目に入るたび、私は自分がまるで透明人間のように感じた。
私にとって部屋へ一人でいるときの静寂より連中の喧騒はずっと苦痛だ。周囲の温かい文字が私には向けられないことを知っていた。
私の凄さを分からない連中、私に謝れと言われても悪いのは私に賛同しない連中。
「私はフォロワー数5000人のインフルエンサーなのよ。あなた達と格が違うの」
そもそも立場が弱いブログ初心者や弱小ネットユーザーが私に意見するなんて100年早いと思う。
周りには私を尊敬する人材を置かないとね。
私は誰よりも国語が出来る。
下手くそな文章を書くユーザーのコメント欄に乗り込んで自由に添削するのが得意。
私は高校3年間、国語のテストは100点しか取ってない。
「指導のお陰で今日はいいこと書いてるじゃん」
ユーザーの悪文が直ったと思ったら、相手にブロックされていた。
私から見るとバカな連中は自分が偉いという妄想に浸るためなら現実すらねじ曲げて話が通じない。
すぐブロックして、子どもみたい。
私は良くできた大人で人格者だと思っている。
なぜなら、しっかり指導してあげるもの。
どうして私はここまで頭が良いのか。
それは周りの頭が悪いから。
サイト管理運営には様々なクレームが入り、
今日も僕はクレーム対応している。
特に『チクりん』という女性ユーザーには断トツの
クレームで、
「お互いに話し合いをして歩み寄れませんか」
チクりんに憤るユーザーを宥める。
管理運営者としてチクりんに注意すると、
相手が嫉妬してると反論され、逆にチクりんは、
「なぜ私を怒らせるのか?」「私が怒ってる理由を考えろ」とブログへ管理運営者の批判が始まる。
クレームを管理運営に入れた側からも辛辣な批判は絶えなく、僕の無力さが浮き彫りになるだけ。
チクりんは口を開けば人の悪口、罵倒、
「私の方が凄い」「私の方が才能がある」自慢をし
ブログについたコメント読むと会話が薄っぺらい。
チクりんに名指しでキチガイと悪口を書かれた人へ謝らないし、基本は他責思考。
管理運営には裏側が見えており、
チクりんは名前を変えて所持するアカウントは10個もあり、恐らく何かしらのコンプレックスが根底を渦巻き、承認欲求がアカウントを増やしているのかもしれない。
本当は自己評価が低く自信がないのかもしれないし、認められない、直視しないように見えた。
…つづく
※ 山根あきらさんとの共作になります
文章の練習中で、胸糞小説を書いております
よろしければお付き合いくださいませ
フィクションです