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亜希子さん、こんにちは。
はじめまして。
オレ、前から気になってる女性ブロガーがいるんです。K子さんのことですが。。
K子さんは、亜希子さんと親しいようですので、仲介して、オレのことを伝えてくれませんか?K子さんとハッピーになりたいザンス🇫🇷💞。

以上、よろしくザンス🇫🇷💞

©️山根あきらさん

亜希子はパソコンの前に座り、ザンスからのコメントを何度も読み返した。

ザンスからのコメントは2回目。
「はじめまして?
この人は一体何がしたいの?」
心臓が緊張で高鳴り、腕組みしたまま見つめる。

ザンスのコメントは亜希子を軽視しているように感じられ、また読み返すが、ザンスの意図が理解できない。

普段から亜希子を揶揄するような名指ししない悪口や亜希子が無視すると創作仲間を紹介せよとのコメント。

亜希子のブログに対する感想ではなく、K子さんの関心を引くための道具にされているようだ。

「なんで紹介しろと言われなきゃいけないの?」
亜希子の口元が動く。

亜希子は自分の想いを大切にし、周りの方々を尊重するのを信条としていた。
それなのにザンスは亜希子の言葉を無視し、ただ攻撃へ快感を覚えている気がした。

「こんな人と関わりたくない」亜希子は決意した。

亜希子はザンスを無視せず、コメント返信を決めた。指先をキーボードに滑らせ言葉を繋いでいく。

まずは冷静に、そして毅然とした態度で。

「ザンスさん。
あなたのコメントは私にとって非常に不快です。
私のブログは私の想いや経験をシェアする場所です。
あなたのコメントは私を傷つけるだけでなく、他のフォロワーさんにも不快感を与えます」

亜希子は続けた。
「私には自分の言葉に対する責任があります。
ですから、私の想いを大事にしてくれる方々と繋がりたいと考えています。
ザンスさんみたいに他人を不愉快にしたり、攻撃したりを楽しむ人とは関わりたくありません」

亜希子は気持ちを正直に表現することができ、
やがて気持ちに少しずつ自信が芽生えた。
ザンスの言葉に屈することはない。亜希子の価値を他人の評価で決める必要はないのだ。

「どうか私のブログから離れてください。ザンスさんのコメントは必要ありません」 
亜希子は最後にこう締めくくった。

送信ボタンを押した瞬間、亜希子の心は軽くなり、
自分や周囲を守るために立ち上がるのを誇りに思った。

亜希子は深呼吸し、画面から目を離す。
これからは自分の想いを大切にし、ブログを使う方との健全な関係を築いていこうと改めて決めた。

少し前、亜希子は言葉に責任を持ち、力があることを再確認していた。

ザンスの無礼を前に、亜希子は創作する道へ決心を固めていた。

                   …つづく


この小説は、山根あきらさんとの共作になります

連載物ですが、1話ごとに単独の短編小説として読むこともできます

作中の「私(=亜希子)」は
山根さんやももまろの人格ではありません

フィクションです

「浮雲」は、こちらのマガジンに収録していきます