体のリズムに合わせた養生法
中医学では「子午流注」(しごるちゅう)という考えがあります。
一日24時間の中で、気や血の通り道である経絡が開き、臓腑(内臓)の活動が盛んになる時間帯があるのです。
その時間に合わせて生活をすれば健康になるというシンプルな養生法です。いやシンプルだけど、現代ではなかなか難しい。
古代中国、およそ二千年前から続く考え。太陽の運行と同じリズムで体も動くとわかったそうです。どうやってわかったのかと驚きです。
24時間を2時間ごとに12等分し十二支を当てています。
23時から1時【胆】
胆でつくられる消化に必要な胆汁の生成が活発に行われます。この時間に睡眠をとっていると消化が促進されます。
1時から3時【肝】
肝が活発に働いて全身の古い血を回収し、新しい血を流します。この時間に眠っていないと新鮮な血が体に巡らず心も不安定に。シミやクマもできやすくなります。
3時から5時【肺】
肺を元気にするのは深い呼吸。この時間に深く眠っていると朝もすっきり目覚めます。早起きして深呼吸するのもいいですね。肺は皮膚にも関わりが深いので、肺を元気にして美肌をつくりましょう。
呼吸器系の弱い子どもやお年寄りはこの時間に咳が出やすいのです。
5時から7時【大腸】
白湯を飲んだり散歩をしたり、大腸を動かしてスムーズな排便に導きます。
7時から9時【胃】
胃の経絡に気血が集まるので消化がスムーズにおこなわれます。朝食抜きの人もおられるでしょうが、この時間に胃が働けないと胃の調子も悪くなり、思考にも影響が出ます。
9時から11時【脾】
胃で消化したものから脾が気血の源をつくります。仕事や家事で軽く動いて巡りをよくしましょう。ストレスやあせりはつまりのもと。マイペースで。脾は湿気を嫌うので脾の働きを邪魔しないようこの時間は冷たい飲みものより温かいものを。
11時から13時【心】
心は体中に血を巡らせ精神を安定させる働きがあります。消化が落ちつき血が巡ってくるので頭も冴える時間。15分ほどの仮眠で心を休ませると、午後からの大事な仕事や試験や勉強の効率もよくなります。
13時から15時【小腸】
小腸で栄養の吸収が盛んにおこなわれる時間。
昼食はあわてずにゆっくり噛んで。
15時から17時【膀胱】
体の毒素を出す膀胱が活発に働く時間。この時間のトイレは我慢せずにいきましょう。膀胱の経絡は脳にまで達しているのでこの時間は勉強や読書もはかどります。
17時から19時【腎】
生命の源である腎の時間。バランスのいい夕食でエネルギーを腎にたくわえましょう。
19時から21時【心包】
心包は心臓の外側を守り包むもの。心臓の負担になることは避け、本を読んだり、好きなことをしてリラックス時間を楽しみましょう。
21時から23時【三焦】
三焦はリンパ管のような水の通り道。水を全身に運び体を潤します。冷やさないように、入浴やマッサージ、ストレッチなどで巡りを良くします。
臓腑の時間に合わせると、なんともゆったりと過ごせそうですね。
全く同じように生活はできませんが、心の隅で意識してみるだけでも少し違います。今、体ががんばってくれているから!と協力しなくちゃね。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。