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ライブの記憶(5)〜フリートウッド・マックの初来日
夏休みにChar・ BOWWOW・紫のコンサートに行き、その後はおとなしくレコードで音楽を楽しんでいました。私は毎日学校の売店でランチのためのパンを買う代金として300円もらっていました。安いバンを一つ買い、少しずつお金を貯めてレコード代を捻出していました。
それでも、定期的なウドー音楽事務所への電話は継続。すると、1977年大ブレークしていたバンドの来日決定の知らせをもらいました。それは、フリートウッド・マック。元はイギリスのブルース・バンドですが、1975年のアルバム「ファンタスティック・マック(原題:Fleetwood Mac)」から、スティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガムという二人のアメリカ人が加入、全米1位を獲得し、1977年2月リリースの「噂(Rumours)」で、世界的なヒットを飛ばしていました。
私もこの2枚のアルバムが好きで聴き込んでいたのですが、そのマック来日。当然にして整理券入手・最前列のチケットを入手しました。1977年12月3・4日(どちらの日に行ったかは定かではないです)、会場は珍しい大阪万博ホール、千里の万博会場跡にあった施設でした。
当時は高校1年生ですが、時期からすると期末試験の数週間前ですね。流石に、試験期間中や直前にコンサートに行くことはできないので、来日が決まったらスケジュールが試験期間にバッティングしないか、最初のチェックポイントでした。
会場に入って驚きました。最前列のチケットのはずなのに、前に2・3列あるではないですか。どうやらオーケストラ・ピットを客席にしたようで、一般には売られていなかったのだと思います。
たしかコスモスファクトリーが前座だったと思うのですが、これも定かではありません。
さて、フリートウッド・マック登場。セットリストを見ながら記憶を振り返ってみます。オープニングは、クリティン・マクヴィーの歌う"Say You Love Me"、続いてリンジー・バッキンガムが“Monday Morning“、そしてスティーヴィー・ニックスの“Dreams“。名曲3連発、3人のボーカルが交代で披露しました。
リンジーの独特のピッキング、そのルックスに僕らはメロメロだったスティーヴィー・ニックス。クリスティンの柔らかい歌声。終演後、友人の一人が「スティーヴィーと目があった」と言えば、「いや、それは俺だ」、「違う、僕だ」と言い合ったことをよく覚えています。
セットリストは、前述の2枚のアルバムから構成されたのですが、唯一ブルース時代の曲として披露されたのが、“Oh Well"。バンドのルーツを感じさせてくれるこの曲は、とても印象に残っています。
名曲の数々(ただし、“Don't Stop“は演奏されませんでした)、3つの特徴的な声が単独で、またアンサンブルとして聴くことができて、本編はリンジーがメインの“Blue Bird“で終了。
アンコール1曲目は、コーラスが印象的な“The Chain“、リンジーの“Second Hand News“、そしてラストです。
クリスティン・マクヴィーがピアノでイントロを弾き始めると、本当に自然に拍手が巻き起こりました。彼女の美しい歌声による“Songbird“でコンサートを終演となったのでした
現在、“Rumours“ツアーの音源が配信されています。1977年8月29日、カリフォルニア州イングルウッド公演ですが、セットリストは日本公演と全く同じ、曲順もほとんど一緒です
*こちらは日本武道館公演の映像です
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