手の中の音楽5〜カーペンターズが教えてくれた“今と、あの頃”

1973年、小学校6年生の時、女子を含む同級生で心斎橋の楽器店に行った時、そこにジュークボックスがあって、一人の女子がカーペンターズの曲を選んだ。流れてきた音楽は”Jambalaya”で、衝撃的。その頃、私は雑誌「明星」の付録の歌本を見ながらTVの歌謡番組を追いかけていて、洋楽を同級生が聴いているのは驚きだった。

こうなると、 放っておけない性格なので、早速カーペンターズのLPーアナログ盤を購入、それが、同年発売の「ナウ・アンド・ゼン(Now & Then)」、当時は気にもしていなかったが、日本ではオリコン1位、米ビルボードでは最高2位だった。当初の日本版の副題は、”今、そしてあの頃”である。

A面は、”Sing"やレオン・ラッセル作の”The Masquerade”といった、”今”の曲と、前述の”Jambalaya”のような”あの頃”の曲が並ぶ。そして、B面は、”今”の”Yesterday Once More”に挟まれる形で、”あの頃”のオールディーズが、ラジオDJのトークとともに流れる、洒落た構成になっている。

もっとも、当時の私には”今”も”あの頃”もなく、単純に、今初めて耳に入る素敵な音楽として、繰り返し聞いた。このアルバムに出会ったことが、その後の音楽的嗜好を形成する重要な出来事である。

B面の楽曲、オリジナルの歌い手、チャート最高位はこうなる。オリジナルも含め、好きな楽曲たちである。

ファン、ファン、ファン(Fun, Fun, Fun)ー1964年ビーチボーイズ6位
この世の果てまで(The End of the World)ー1962年スキータ・デイビス2位、竹内まりやもカバー
ハイ・ロン・ロン(Da Doo Ron Ron)ー1963年クリスタルズ3位 フィル・スペクターがプロデュース
デッドマンズ・カーブ(Dead Man's Curve)ー1964年ジャン&ディーン8位
ジョニー・エンジェル(Johnny Angel)ー1962年 シェリー・フェブレー これも竹内まりやがカバー
燃ゆる瞳(The Night Has a Thousand Eyes) ー1962年ボビー・ヴィー3位
アワ・デイ・ウィル・カム(Our Day Will Come)ー1962年ルビー&ザ ロマンチックス1位
ワン・ファイン・デイ(One Fine Day)ー1963年シフォンズ5位 作ったのはキャロル・キング/ジェリー・ゴフィン  キャロル・キングは1980年にセルフカバー



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