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NFLカンファレンス決勝が終了〜スーパーボウルへの道は「熱く冷静に大胆に」(その1)

NHKの大相撲中継のゲストに、レスリング東京五輪金メダルの須崎優衣が招かれていた。大の相撲ファンで、相撲愛に溢れるコメント、さらに宮城野親方(元横綱白鵬)との技術的なやり取りを通じて、彼女の強さの要因を感じた人も多かっただろう。そんな須崎優衣が、大試合に臨むときのモットーとして「熱く冷静に大胆に」を挙げた。

さて、NFLのカンファレンス決勝である。まずAFCはディフェンディング・チャンピオンのカンサスシティ・チーフス(以下、KC)が敵地ボルチモアでレイブンズ(No1シード)と対戦した。第1Qレイブンズ(以下、BAL)の最初のシリーズはパントで終了し、続くKCの攻撃は自陣14YDから。派手なプレイではなく着実に前進していき、最後はQBマホームズーTEケルシーの黄金コンビ間のパスで19YDゲインのタッチダウン(以下、TD)。

一方のBALも続く攻撃でTDを返し同点。KCは返す刀で16プレイをかけTD。KCはFGで3点を追加17−7で前半を折り返す。これは打ち合いの展開になるかと思われたが、後半は一転してディフェンシブな試合に。両チーム、パントで攻撃権をわたし合う展開となる。

それでも、第3Q終了間際から始まったBALの攻撃はKC陣9YDまで侵入、ルーキーで今年大活躍のWRゼイ・フラワーズがゴールライン手前でパス・キャッチし、あとはボールを運んでTD! と思いきや、痛恨のファンブル。フラワーズはこのシリーズの第1プレイで54YDの好レシーブするも相手に暴言を吐き“Taunting“の反則で15YD罰退をくらっており、“熱さ“が“冷静さ“を上回った。

BALの強力ディフェンスは頑張り攻撃権を取り返すのだが、今度はQBラマー・ジャクソンがパス・インターセプト。結果的に最後となった、KCの攻撃シリーズでは、ラフプレイ(Unnecessary Roughness)の反則などで攻撃権再獲得のチャンスをつぶす。これらも、“熱さ“や“大胆さ“が“冷静さ“を凌駕、BALが自滅するかのような形で、17−10でKCが勝ち切った。(試合ハイライトはこちら)

須崎選手の言葉「熱く冷静に大胆に」、こうした大一番で必要なこと。2019・20・22年シーズンでスーパーボウル(以下、SB)出場2回の優勝というKCは、この3つの要素が揃っていた。だからこそ、後半のスコアが動かない状況を乗り切ることができた(KCは結局無得点)。

一方のBALは、フラワーズの暴言、ジャクソンのプレイ、彼らは超一流であり調子に乗せたら手がつけられないが、ヒリヒリした局面でのプレイに課題があるのだろう。それ故、2018年以降は毎年のようにプレイオフに進出しながらSBに進出できていない。

敗戦が決まり、フラワーズを始め落胆した選手の姿は印象的だった。大男が頭からタオルを被りうなだれている。それだけのものがかかっていたのだ。是非、「熱く冷静に大胆に」を揃えて、来シーズンに挑んで欲しい。

今シーズンのKCは後半苦しみ、No 1シードをBALに譲った。2年前にWRヒルが去り、TEケルシーのレシーブもシーズン1000YDに届かず(それでもTEとしては素晴らしいのだが)、年齢による衰えも言われた。しかし、ルーキーWRライスが徐々に存在感を増し、ケルシーもプレイオフに入り好調と、しっかりとクライマックスに向けて整備してきたのは流石である。それを支えた守備陣も素晴らしい。

さて、NFCの決勝では、どちらがバランス取れた「熱く冷静に大胆に」を発揮したのか(続く)



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