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Back To Normal〜傳志会第13回
メダリストがテレビで登場し、様々な姿を見せているが(昨夜のNHKスペシャル良かった)、オリンピックについては一旦終了。Back To Normalである。
カレンダーでは7月19日は祝日表示になっているが、オリンピックの関係で祝日が移動、19日は平日となった。そんなことも関係しているのだろうか、半年ぶりの傳志会はこの日の14時30分開演となった。(前回の感想はこちら)
もちろん、平日の昼間であっても、立川流の4人、志の輔・談春・生志・雲水が揃う会となると、会場のイイノホールはほぼ満席である。
この日のトップバッターは立川雲水、立川流ながら上方落語である。夫婦喧嘩から始まるネタは、「堪忍袋」。夫婦間の揉め事解消のため、堪忍袋を作成し、この袋に言いたいことをぶちまける。すると、気分がスッキリする。
今の世相にピッタリ、堪忍袋に不満を吐き出したい人は沢山いるだろう。雲水は、オリンピックに関する不満も堪忍袋に放り込み、客席から賛同の拍手も受け、客席との一体感が醸成されていた。
続く志の輔は、新作の「親の顔」。テストの答案にユニークな答えを書く息子のせいで、教師に呼び出される八五郎の話。例えば、“81個のみかんを3人に等しく分けなさい”という問いに対して、“ジューサーにかけて分ける”と答えている。
子供の理屈は、“みかんはそれぞれ大きさも違うし、味も違う、等しく分けるにはジューサーにかけるのが良い”というものである。様式といい、内容といい、古典落語をしっかり踏襲している、さすが志の輔という新作落語である。(若き日の口演)
中入りを挟み、登場した談春は「星野屋」。「星野屋」の主人と、その囲い者との間の、騙し騙されの展開。他の演者のものもあまり聞いたことがなく、談春の口演も初めて。相変わらず、達者で上手い。
トリは、立川生志で「唐茄子屋政談」。遊びがすぎて勘当された若旦那、おじさん世話でカボチャ〜唐茄子を売りあるくことになる。このネタで好きなシーンは、大半の唐茄子を売り終わった若旦那が、吉原田圃を歩くシーン。
吉原で遊んだことを思い出すモノローグ、そこに少し残った唐茄子を売るための売り声が挟まる。遊びを懐かしむ気持ち、人の助けによって商いができたことの嬉しさ、これからも地道に商売しなければならない境遇、これらが入り混じりながら歩く若旦那。こうした感覚は誰しも経験していているのではないだろうか。生志もうまく演じていた。
暑い暑い休日だったはずの月曜日、夏の噺でお開き
献立日記(2021/8/9)
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