イタリア人はナポリタンは“容認できない“のか(その1)〜まずは全体感
英調査機関ユーガブ(YouGov)の調査結果が話題になっている。見たところ、共同通信のネタが転載されているようだが、例えば日刊スポーツの見出しは<ナポリタンは邪道? イタリア料理で『パスタにケチャップ』約9割が容認できず>である。
ユーガブは2018年に24カ国の人に34の国別料理の好き嫌いについて調査した結果、1位イタリア料理、2位中国料理、3位日本料理となった。これを受け、今回の調査は、世界中でイタリア料理は愛されているとは言え、多くの国においてイタリア人なら泣きたくなるような方法で、イタリア料理を楽しんでいるのではないかと考え、実施したもののようだ。
イタリア人から非難されたことがあるとされる19の調理法・食べ方をリストアップし、17カ国の人に<Acceptable(容認する)、Unacceptable(容認できない)、Don't Know(分からない)>から回答、「容認」の回答比率マイナス「容認できない」のスコアでランキングした。なお、回答国に日本は入っていない。(入れて欲しかったなぁ)
19のリストを見て、私が「容認できない」とまで思ったものは特になかったが、自分では絶対にやらない、あるいは食べないであろうものは、<食後にカプチーノを飲む>と<ピザにパイナップルを乗せる>だった。イタリア人の結果は、前者は−23、後者は−63と、19にうちイタリア人の大勢が「容認できない」とした11の方法に入った。
この話を妻にしたら、「<食後にカプチーノ>は多くの人がやっていて、別に良いんじゃないの」と。私「人の好みなので、他人がやるのは気にしない」、すると妻は「私は飲まないけれど、もし飲もうとしたらどうする?」と聞いてきた。私は、「若い頃だったら、自分のカノジョが食後にカプチーノを飲もうとしたら、ダメ出しすると思う」と答えた。
ようやく、本題である。報道されている通り、イタリア人が最も嫌悪した食べ方は、<パスタにケチャップをつける(Having ketchup with pasta)>、−82と圧倒的に否認されている。
ちなみに、次は<パスタを水から茹でる>で、−71。これは他の多くの国においても否定されている。次はパイナップルピザで、4位が<パスタをサイドディッシュとして食べる>で、−55。面白いことに、イタリア以外の全ての国では容認されている。
意外だったのは、<パスタを茹でるお湯に塩を加えない>で、わずかの−17。この項目だけは、ドイツの−33がイタリアを上回った。イタリア人的には、沸騰したお湯に入れる方が、塩の有無より重要ということ。これは、パスタの茹で具合に特にこだわりがあるということだろうか。
確かに、うどんや蕎麦を水から茹でるのは、ちょっと受け入れられないかもしれない。
さて、次回は本題、<パスタにケチャップ>を考える