![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80772821/rectangle_large_type_2_924acefac80099d819a9ba89f3e89f55.jpeg?width=1200)
若き日のメンデルスゾーン〜「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲」
メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲は、超有名曲だが、「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ短調」という作品はさほど有名ではないだろう。
私も、記憶の外側にあったが、最近蘇った。有名曲ではないが、良い作品である。
なぜ聴くことになったか、ここからは身内の宣伝である。以前にも紹介したが、次女の属しているスコットランド室内管弦楽団(Scottish Chamber OrchestraーSCO)はデジタル・シーズンと称して演奏を配信している。
今流れているのは、メンデルスゾーンのシリーズで、ニコラ・ベネディッティをソリストに迎えた、ヴァイオリン協奏曲もあるが、ヴァイオリンとピアノのための協奏曲も含まれている。
前者は6月22日まで、後者は21日まで配信されているので、ご興味のある方は聴いてみて下さい。
SCOの配信を見ると、ピアノと指揮のKristian Bezuidenhoutが冒頭で曲の紹介を行なっている。メンデルスゾーンはモーツァルトに負けず劣らず早熟の天才で、この曲を書いたのは14歳の時。しかしながら、当初数度演奏された記録が残るのみで、その後埋もれたしまい、20世紀になってから発掘されたそうである。
メンデルスゾーンの、バッハ、ヘンデル、モーツァルトらへのオマージュとも呼ぶべき曲とのことだが、私はとても好きな曲である。第一楽章は総奏される主題が印象的で、そこからピアノとバイオリンの対話が始まり、オーケストラが絡んでくる。
第二楽章は、まさしく先駆者への愛も感じられる美しい調べ。そしてフィナーレは、ちょっと追いかけられるようなイメージで始まり、曲が膨らんでいく。
この曲のオーケストラ部分は、弦楽奏版と、管楽器・ティンパニの入るオーケストラ版があるが、SCOの演奏は、あまり上演されることのないオーケストラ版、それも貴重である。バイオリンは、SCOのコンミス、Stephanie Gonleyが務める。
尚、この曲はギドン・クレーメル/マルタ・アルゲリッチ/オルフェウス室内での録音もあり、私はそれを愛聴していた。配信終了後は、そちらでお楽しみ頂ければと思う