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ICU⑦|メッセージ


午後になり、面会に向けての準備を進める。


幾ばくかの心のゆとりが生まれたからか、息子に対しても、エールを送るということから、“エネルギーをどう高めていくか” ということに意識が向き始める。

また、15分という短い時間の中で、“父として、息子に何を伝えるか” ということも考えるようになっていた。


この先の人生で、息子には伝えたいことはたくさんある。


まずは、目先の「感染症」を乗り越えるために、父として、そして親としてどうサポートしていくか。

最も大切なのは、“信じること”“祈ること” という、「想い」というの変わらない。

だが、“メッセージ” として、今から息子に伝えられること、私なりに息子のエネルギーを高められることがあると思っていた。


そんなことを考えながらも、出発の時間となり、病院へ向かう。

この日は休日の土曜日。
いつもは予約がいっぱいのカーシェアも、この日は運良く空いていた。

病院に向かう車内も “良い「気」” が流れていたように思うし、危機的状況を脱した今、私自身も清々しい気持ちで運転出来ていた。


 “心を躍らせながら” 病院に向かい、“満たされた想い” で帰路に着く…

息子がNICUに帰還するまでの間、しばらくはこんな感じで過ごしていくのだろうと思っていた。


そんな中、病院に到着。
いつものように、NICUへ冷凍母乳を届けてから、ICUへと向かった。


ICUへ到着し、担当看護師が出迎えてくれて、早速息子の元へと向かう。


「凰理、お父さんとお母さん来たよ^^」

毎日毎日、何度見ても、我が子の寝姿は愛おしい。


顔の浮腫みは依然として引いている様子はないが、昨日よりは手足の色は少し戻ってきているように感じる。

また、午前中には身体も拭いてもらい、髪も洗ってもらったようだった。


少しして医療チームから報告を受ける。

この日は普段とは別の医師からの説明であり、おそらく私たちと面と向かって話しをするのは初めてだったように思う。


昨日から特段変化はなく、容態は落ち着いており、手足の色なども少しずつ回復傾向にあるとのこと。

しかしながら、この日の血液検査が思わしくなく、感染症の数値はまだ依然として下がらず、さらに「腎臓」など、いくつかの箇所でも問題があるようだった。

確かに、尿を排出した管の先には、本来溜まるはずの尿が溜まっていない。
正直これには、不安というか、“何か引っかかる感じ” があった。


そして、昨日の面会で言及されていた “古い点滴の管の交換”
これに関しても、本日行うとのことだった。

やはり、“感染症の数値が引かない” という状況下で、これ以上の古い点滴の管の継続は厳しいという判断だった。


古い点滴の管は、“足の付け根” についており、心臓やこれまで懸念されていた「肺」と少し離れてはいる。

そのため、問題が起こる可能性は基本的には低いものの、「管の交換」という行為自体が、身体には負担や刺激となり、 “リスクは0ではない” ということを説明された。


しかし、この時の心情は鮮明に覚えている。

(大丈夫なのか…?)

“嫌な予感” というと予期していたかのようだが、私の心に、“何とも言えない不安感” が湧いてきていた。



つづく


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