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妊娠⑬|母は偉大


前回の健診から数日後、妻が産休へ。


全前置胎盤が判明した時から、上司や同僚の配慮により、完全在宅になったり、さらには仕事の量の調節もして下さったおかげで、就業中も横になる時間を比較的取ることができていた。

このサポートがあったから、早期に出血することなく順調に進んだといっても過言ではない。

いざ産休に入る際も、快く送り出してくれるだけでなく、息子の入院時にもエールを送ってくれたり、本当に感謝しかない。

私たち夫婦は、本当に人に恵まれているなと改めて思う。


そして産休に入ると、身体を休める時間が増えたことにより、お腹の張りがかなり解消され、それに伴いしんどさも軽減したと妻は言う。

また、物理的に時間も出来たことで、出産後や手術の準備も含め、より息子に意識を向ける時間が増えた。

顔はどっちにかな?
一重?二重?
輪郭は?
髪質は?
性格は?
血液型は?

など、些細なことも想像するだけでも楽しいし、夫婦2人して “ニタニタ”してしまう(笑)


毎日毎日話しかけていたお腹も、32週を超えてくるとなると流石に大きく感じる。


(いよいよ父親になるんだ...)という感情もそうだが、それ以上に、

「母は偉大」

という感情の方が大きく、日を追うごとに増してきていた。


父親である私ですら、お腹の中にいる息子をこんなに「愛おしい」と思う。


しかしそれ以上に、“自らの身体の中” で育てている「母親」というのは、偉大という言葉では表せないくらいの “次元の違う存在” なんだと思う。

そしてその「母の愛」というのは、男では到底測り知れないほどの領域にあるものだと、私はこの妊娠期間を通して感じた。


そして、産休に入ってから初めての妊婦健診を迎えた。


推定体重はやはり僅かしか増えておらず、完全に鈍化。
(医師からも具体的な数値の言及はなかったが、モニターを見る限り「1,300g台」だったと記憶している)

しかしながら、懸念は本当に「体重」だけで、羊水量・血流・胎動などは数値的に全く問題はない。

ただやはり、頭が小さいということを差し引いても、このままだと「発育不全」の診断になりうるとのことで、数日後に再診し変化がないようであれば、「胎児の発育促進のための『管理入院』」をするという流れになった。


原因は正直分からない。

だが、成長の波、測定の誤差はあるにせよ、この時点で発育曲線から外れ、低体重の領域になってしまったのは事実。

この管理入院はやむを得ないのだが、妻としては「我が家」というのが最高の空間であり、栄養面やそもそもの設備面が良くはなるが、入院そのものがストレスという懸念点があった。


しかしながら、母子ともに無事に出産することが最優先。

再度、主治医とも相談して、数日後に体重を見て判断していくことになり、その日は終了した。



つづく


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