お手紙を書きたい相手がいるというだけでも幸せな事かも
わたしは最近アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズを観ています。
ある時は、妹から兄へ。
ある時は、母から娘へ。
ある時は、亡き人へ…。
様々な人が様々な人へ宛てて書いた手紙が登場するこの作品を観ていると胸が締め付けられます。
その影響で、わたしはこの頃よくAmazonでタイプライター風のBluetoothキーボードを覗いています。
今のわたしには到底手が出ないお値段なのに、商品ページを毎日覗いては、「こういうタイプライターでお手紙を書けたら素敵だろうな」と、ときめきます。
いつか転職をして今よりお金を稼げるようになったら、コツコツ貯金して自分へのプレゼントとして購入したいと思っています。
その代わりと言ってはなんですが、わたしは時々iOSアプリの『Hanx Writer』を使い、なんちゃって英文を書いています。
バグがちっとも修正される気配がないのが残念なアプリではありますが、パチパチ鳴るタイプ音と、インクが掠れたような風情が癖になります。
また、わたしは文房具店を見かけると、つい立ち寄るようになりました。
すっかり『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズに影響を受けていますね。
そうです、わたしは影響を受けやすい人間なのだ!
素敵なシーリングスタンプセットや、アンティーク風の便箋のセットを見ると、とってもワクワクしてきます。
「こういう道具を使ってお手紙を書いたらどんなにロマンチックだろう…?」と胸が高鳴ります。
…いかんいかん!
つい、わたしが「お手紙を書きたい人」の顔が頭に浮かんでしまいました。
井上二郎アナのような低音の美声の持ち主で、「清潔感を着て歩いている」と言っても良いくらいいつも清潔感に溢れ、いつもびっくりするくらい細やかな気遣いをしてくれるのでイギリス紳士の霊に憑依されている疑いがあり、第一印象はクールな印象だったのに思わぬ冗談を言って笑わせてくれたり、気を許した相手を見かけるとまるで飼い主を見つけた子犬のように駆け寄ったりするし、ふいに目が無くなる感じで可愛く笑ったりする、けしからんあの人の顔が!
悔しいです!
いっそ嫌いになりたいのに!
素敵なお手紙セットを見る度に、Yさんの顔が脳裏にちらつきます!
なんて日だ!
お手紙をやり取り出来るほど特別な関係にはなれていないのに!
…以前手持ちの便箋にYさん宛のお手紙を書いたことはあるのですが、結局お渡し出来ずじまい。
わたしの部屋の机の引き出しの中で、すっかりタイムカプセルと化しています。
いつかお渡し出来る日が来るのか…情けない話ですが正直言ってまだ自信がありません。
今日だって、Yさんと喋っているだけでなんだか胸がいっぱいになって、気の利いたことを何も言えなくなってしまいました。
それに、Yさんに「〇〇さん(Yさんの先輩)に先日相談に乗っていただき、とても助かりました。〝ありがとうございました〟とお伝え願えますか?」とお願いしてしまいました。
確かにわたしがYさんの先輩にお世話になっていることも感謝していることも事実なのですが、わたしがYさんに今言うべきセリフはそうじゃないのに…!
…もしヴァイオレット・エヴァーガーデンさんが実在の人物であったなら、わたしからYさん宛のお手紙も代筆してくださるでしょうか…?