観世音菩薩普門品第二十五⑨【はじめての法華経】vol.17
【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。(マガジンはこちら)
現在、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」を少しずつ読み進めております。
さて、前回は無尽意菩薩がお釈迦さまに対して2回目の質問をしたところを読みました。観世音菩薩さまはどのようにしてこの世界に現れ、どのようにして衆生に法を説かれるのでしょうか?という質問でしたね。
今回から読む部分は、この無尽意菩薩の質問に対するお釈迦さまの返答になります。観世音菩薩の「三十三身」が説かれる部分の始まりです。
それでは、少しずつ読んでみましょう。
仏告無尽意菩薩。
仏、無尽意菩薩に告げたまわく、
【現代語訳】
お釈迦さまは無尽意菩薩に対して次のようにお告げになった。
善男子。若有国土衆生。応以仏身。得度者。
善男子よ、若し国土の衆生有て仏身を以て得度すべき者には、
【現代語訳】
善男子よ、もしこの国土にいる衆生のうち、仏の説法をきっかけとして悟りを得るべき者には、
※得度・・・現在は僧侶になること・出家することを意味する言葉として使われているが、もともとは、「迷いの世界から悟りの世界へ渡ること」「悟ること」を意味した。
観世音菩薩。即現仏身。而為説法。
観世音菩薩、即ち仏身を現じて為に法を説き、
【現代語訳】
観世音菩薩はたちまちのうちに仏の姿で現れ、その衆生の為に法を説き、
無尽意菩薩の1回目の質問とそれに対するお釈迦さまの返答の部分では、なんらかの危機や困難に直面している衆生を観世音菩薩がどのように救ってくださるか、ということが説かれていました。
これに対して、無尽意菩薩の2回目の質問は、「観世音菩薩はどのようにこの世にあらわれ、どのようにして法を説くのか?」というものです。
この質問に対して、お釈迦さまは次のように語り始めます。
「仏身を以て得度すべき者には」(仏の姿をした者の説法をきっかけとして悟りを得るべき者には)と書かれていますね。
このあと、同じように「○○を以て得度すべき者には…」という調子で、色々なバリエーションが出てきます。「三十三身」ですから、残り32身ですね。
しかし、いきなり仏さまの姿に変身できてしまうの、すごいですね。
個人的には、「仏さま(の姿をした観音さま)が目の前に現れたら、驚いてしまって、お説法が全然頭に入ってこないんじゃないか」と思うのですが、だからこそ、このあと32ものバリエーションが用意されているのでしょう…
◇◇◇
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もお付き合いいただければ嬉しいです。
それでは、また。