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【18】廃人になるために、香川で大変な仕事にしがみつく
旅館で仲居のリゾートバイト
「お金をためて廃人になる」と決めたら一刻も早く次に進みたくなり、なるべく早くお金が貯まるように給与の高さだけで選んだ旅館の仲居バイト。
しかし、これがものすごく辛い職場だった。
体力的な面で言うと、朝5時起きで出勤し、お昼休みは長めにあったものの夜は11時過ぎることも。入ったのが年末年始だから余計忙しかったというのもある。
でもそれ以上にきつかったのが精神面。新人指導がとても厳しく、怒号や罵倒が飛び交っていて、年末私と同時期に10名ほどバイトが入ったけど1週間で3人消えた。
私も正直辞めようか迷ったけど、住込みだったこともあり、辞めた場合は次に住む家、仕事をどうするのか。それを考えるのも面倒だったので、結局そのまま残ることにした。
その結果、2ヶ月程もの間、廃人になるためにしんどい仕事にしがみついて頑張るという謎な状態になった。
改めて、今まで過ごしていたゲストハウスって最高の職場だったな……と思った。
精神的に追い込まれるこの環境で、表では心を殺してにこやかに接客して、これって豊かな暮らしと言えるのかなあ…なんて偉そうなことを考えたりもした。
やりたいことをするとか、仕事の内容も大事だけど、それ以上にどんな人とどんな環境で働くかがものすごく大事だな、とこのとき痛感した。
結果的にここで「やりたくないこと」を徹底的にやっているうちに、今までの環境のありがたさを実感し、廃人になるよりも何か生産的なことをやりたい気持ちが高まったりもしていて、年季明けてからも本当に廃人をするか少し悩みもした。
それでも廃人もとりあえず一度決めたことだし、今やっておかないとまたきっと別なときにやりたくなりそうな気がしたので、可能なうちに一度は経験しておこうと決意した。2ヶ月で貯めたお金を握りしめて石垣島へ。そこからさらに船で与那国島へ渡ったのだった。
ところで住み込みで仲居というと、今でこそ旅行資金を貯めるとかいろんな目的の方がいるけど、昔は事情がある人の仕事だったらしい。そのため大先輩にあたる仲居さんから「ここを辞めたら何するの?海外旅行?」と聞かれたものの、さすがに「廃人を……」と答えるわけにもいかずに黙っていたら、「そっか……」と何かを察せられたりもしていた。
ようやく次は廃人か!?
それでは、ホニャラ~
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