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出会う人をラッパーに変える、MAZAI RECORDS運営兼もつ酢飯のビートメイカー・DocManjuが語るヒップホップへの愛情
もし、ラッパーの条件を「自分の曲を作ったことがある」かどうかで線引きするなら、私が2016年の9月に会った時は、多くの現MAZAI RECORDSメンバーはまだラッパーではなかったと思う。それを、2016年の12月のコンピレーション制作をきっかけに、いつの間にかラッパーに仕立て上げたのはもつ酢飯のビートメーカーであるぽじぽじa.k.a DocManjuをはじめとした、MAZAI RECORDSの初期メンバーだ。 週一のサイファー・カレー会、月一の練習会・チンポジム、半年に一
「医者でラッパーは人生を賭けたボケなんです」―天然ボケになれない努力家MAKI DA SHITが語る音楽をあきらめない生き方
第一印象、デカい。第二印象、司会が達者。第三印象、ライブがうまい。しかも大学生のうちからアルバムを出している。その上医大生。「なんだ、そのスペック」というのが、大学生ラップ選手権で、主催者兼司会として登場したMAKI DA SHITへの第一印象だった。 ただでさえ忙しい医大生という立場なのに、活動の手をゆるめない姿勢。はたから見ればずいぶんハイスペック。でも、実際に会うと腰が低くて、「えへへっ」という笑い方が人懐っこい。 青森から上京し、医学部で学びながら音楽活動を続ける
ヒップホップは絶対的にかっこいいものなので-MAZAI RECORDSいちのロマンチシスト・ジャバラのヒップホップとクルーへの愛
「河原でのサイファーがこんなイベントになるなんて? いや、俺は信じていたぜ」 MAZAI RECORDS主催のクラブイベント「Tinpot Maniax vol.2」のオープンマイクでそう叫んでいたのはMCであり、トラックメーカーであり、DJであるジャバラだった。 MAZAI RECORDSが、たった3人でサイファーをやっていた頃、社会人としてその小さな輪に加わっていたジャバラは、自分たちのクルーへの愛情を事あるごとに口にし、時にはシーンに向けて辛めの言葉も投げつける。
アニメが本当に好きなら、生き方そのものがアニメの二次創作になるはずなんです―感情的であることをいとわない人間的なラッパー・ヤボシキイの道程
アニメオタクがヒップホップのセルフボースト曲を「キャラソン」と呼んでいて、なるほどと思ったことがある。歌い手自身に大きく依拠した歌を作ることが当然と捉えられているのは、ヒップホップの大きな特徴の一つだろう。それぞれが自分を主人公とした歌を作り続け、聴き手がそれを消費していく奇妙な文化であるともいえる。 ヤボシキイはMAZAI RECORDS在籍ラッパーの中で、もっとも主人公らしい歌詞を書くラッパーだ。トピックはオタクの悪口から仲間への思い、あるいはTwitterでのバカ話と