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文学フリマ広島7 出品書籍『うつくしいひと』について
書影
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本情報
うつくしいひと
著者 青木聖奈
印刷・製本 ちょ古っ都製本工房
発行日 2024年9月12日
A5 38ページ
一昨年亡くなった祖母のことをエッセイにしました。
花札、料理、亡くなる数日前、看護師である友人との会話。
断片的に思い出される祖母との記憶を文字にしたくて書きました。
ーーーーー以下本文から抜粋ーーーーー
「おばあちゃんとは予後のことは話してるの?」
と、話の流れで彼女に聞かれた。
「・・・予後っていつからいつまでを指すの?」
友人が次の訪問先に行く時間が来たので電話を切った。友人は首都圏に住んでいてすぐに直接のお礼が出来なかったので、せめてもとラインでスターバックスのギフトカードを送った。祖母がいつ死ぬかわからないタイミングでも、そんな風に私の心はいつも通り働いた。
ありがとうという気持ちを示したくてギフトを送る。お腹がすいたら冷凍庫からチョコパイを出して食べる。祖母が危ないかもと連絡が来て、一人車で祖母宅に向かうときも、音楽をかけながら向かった。今考えればなるべく平静を装おうとしていたように思う。いつも通りにすることで非日常を日常にしようとしていた。
立ち読み
冒頭まえがき2Pです。
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文学フリマに寄せて
この本は現在、私のBASEショップ並びに、北海道旭川市のカフェ・アメリカンボックスでのみ販売しております。
これを書いた時はとにかく形にしなければ、という一心でやっていて、本を作ったこともない、製本所にお願いするのも初めて、表紙を作成したりエッセイを書き上げたりすることも全部全部初めてだったのですが、文字通り「ノリと勢い」にプラス「使命」のような気持ちで作成しました。
出来上がって送付されてきた時は小さくて薄くて軽い、それでもその時の私の全てのような存在でした。
文章を書き上げ、製本所にお願いしたりなど、初めての経験を沢山して、そうして販売を開始し、読者の方々から感想を頂くという感動するようなこともあり、それを経た今、このエッセイの主人公であるおばあちゃんが私に色んな世界を見せてくれているのだなと思っています。
好きなことをやってみたら新しい世界と出会えた、そんな第一作がこの『うつくしいひと』となります。
この作品を通して文学フリマの出店側という、また新しい世界を見られることを楽しみにしています。