【選んで無職日記125】明日コート何着ていこう
2024/11/28
昨晩、クロエのしーしータイムのために母とダウンを着て外に出た。空を見ると星がくっきり見えて輝いていて、明日は晴れだねえと話した。
地元の空は広い。今まで見た中で一番広くて美しい空だと思う。街には何もないし、年々何もなくなってきているけれど、空だけはどこにも引けを取らないと思う。南の島と比べたらどうかとも思うが、私は南の島より北の国が好きなので、私判断でそのように断定している。
クロエに「しーしー、しーしー」と呼びかけて、出来るだけ早めにおしっこをしてもらうようにお願いしているが、彼女も彼女でしたい所があるので家の近くではなかなかしない。結局家の近所を一周するのが寒くてきついのだが、クロエは楽しそうに歩いているので急かすのも申し訳ない気分になる。
今日も朝から整体に行って、帰ってきたら母がお昼ご飯を作っておいてくれたので、酢豚の鶏肉バージョン(母は"酢鶏!”と言っていた)とお味噌汁とご飯を食べる。私は実家に帰ると全然キッチンに立ちたがらないのに、仕事して帰ってきた母にこうやってご飯を作ってもらうと申し訳なく思うものの、美味しいし実家だしと思って有難く食べさせてもらっている。最近はスープは作るようになったけれど、主食からスープまで作って初めて親孝行だろうな。
そのうち父が帰ってきて、なんとなく皆お昼ご飯をすませ、皆で私を駅まで送ってくれた。
私が実家から札幌に戻る時、こちらにもいつもルーティンがあって、リビングにいるぬいぐるみたちに挨拶し、最後はクロエの先輩にあたる犬たちの写真に挨拶する。これをやらないとどうしても家を出られない。
駅について車を降りると、クロエがわんと吠えた。事前予約しておいた切符を発券し、電車に乗る。今日は微妙な時間に乗っているのでそこまで乗客も多くなかった。
電車は時間通り発車したのだが、走り出してすぐに後ろの方から歯磨きの音が聞こえた。この電車は向かい合わせの座席ではなく、通路を挟んで二人がけが二列ある形なので、後ろと言ってもどのへんかは定かではない。
だがしかし座席にはもちろん洗面台はついていないわけで、歯磨きの音はどう考えてもおかしい。誰だよ、と思ってちらっと振り返るのだが、電車の音も大きいので具体的な音源がどこか、よくわからない。
そうして歯磨きはしばらく続く。結局十五分くらいしっかり磨きまくっているので、歯もそろそろ無くなるのではないかと思っていた。いやはや、公共交通機関で歯を磨くなんて私には考えられない。せめてトイレでやって欲しい。トイレに長居するのが申し訳ないと思っているのだろうが、知らない人の生活音なんて別に聞きたくない。普通に不快。
おじさんなんだろうな、と思っていたら、後ろから男性が何か棒状のものを持って前方にあるトイレの方へ歩いて行ったので、あの人だなと確信する。私の真後ろの男性らしかった。スーツを着ていたので出張中か。仕事中すまんけど、公然歯磨き罪で逮捕です。
家に戻り、明日からの広島行きのパッキングをしていると何だか寂しくなってきた。昨日まで実家に皆で居たのに、今は寒い家で独り言を言いながら荷物を詰めている。洋服でどんどん重くなるトランクケースを見ていると、悲しい。これを引きずって空港まで移動しなければならないのも、一人でいるのも悲しい。
十八時半からはオンラインでピラティスのレッスンを受けた。今日はいつも通っているジムが休館日なのだ。実家に帰っている間はずっと運動をなまけていたので、今日と明日の午前中も受けるつもりでいるのだが、オンラインでの受講は初めてだった。
オンラインでの授業はいつも習っている先生でなく、全国にあるジムの先生が持ち回りでレッスンをしてくださるようで、今日の先生は関東にいるらしい。
今日のクラスはビギナー向けなので特段難しい動きはないのだが、先生が違うだけで一時間の使い方も全然違う。部屋のヒーターをガン炊きして汗をかきやすくして、小さい動きなのだがじっとり汗をかき、少しでも運動出来た自分を称えた(しかもレッスン開始直前にプロテインまで飲んでいるので気分はすっかりアスリートである)。
ピラティスの後は母が作って持たせてくれたおにぎりを食べた。酢鶏もタッパに入っていた。お湯があれば作れるスープを作り、一人で食べた。