【ChatGPT】教育への活用
教育におけるChatGPTの是非を議題にした議論から、『タブレットなんか全部捨ててほしい』とおっしゃられた佐藤ママさんが話題ですね。
動画で全体の流れを確認した限り、若年層に対する勉強姿勢の話のようでした。
最新技術への嫌悪感ではなく、勉強方法の模索能力が下がることへの懸念とでも言いましょうか。
かなり前ですが、スタジオジブリの宮崎駿監督も、iPadを使用者もろともこき下ろした発言が話題になりましたが、そういう感覚の方もまだまだおられることに少し驚きました。
その感性だと、電車通学している女学生が文庫本を読んでいるのは抒情的で画になり肯定し、同じ電車内で男性がタブレットを触っている様は、気持ち悪いのでしょうねぇ。
スマホやタブレットで青空文庫を読んでいるのなら、紙の文庫本と何も変わりはしないのですがね。
タブレットを、エロ動画とかエロゲーと決めつけて、イメージしちゃってる気がします。
ツールは最大限に利用すべき
学校の先生などは特にそうですが、過去の試験において真面目に取り組み、優秀な成績を修めた方々がなられているわけで、その時代の勉強環境とあまりにもかけ離れた状況への違和感に警戒されるのは当然でしょう。
そうは言っても、それでは、未来を生きる子どもたちに対して、責任ある適した教育とは言えません。
むしろ、できるだけ最先端を進ませてあげるべきかと思います。
便利なもの、今後は当たり前になるものは、いち早く取り入れないと。
シャーペン禁止にして、鉛筆のみにしますか?
いやいや、鉛筆も禁止にして、筆と墨汁に?
簿記の試験とかも、電卓禁止にして、そろばんオンリーで?
『書道』は素敵な文化ですが、ある種の『不便や無駄を楽しむ』のは趣味の世界で良くないですか?
音楽配信のこの時代に、昔ながらのアナログレコードも静かなブームです。
趣味や道楽としては面白いでしょうが、気軽さや簡便さとは真逆ですよね。
非効率を、仕事や勉強に取り入れるのは、さすがにナンセンスと言えます。
もっと言うと、試験や資格試験なども、なんでも持ち込みありにして、高効率で正解を導き出した人から合格にしても良いくらいです。
実際の仕事が、すでにそうなのですから。
タブレット学習
紙教材との比較
タブレットと紙教材との学習効率の比較記事や学術研究の資料を、ここのところよく見かけます。
佐藤ママさんのおかげでしょうか?(皮肉ではありません)
見た限り、そもそもの比較の仕方に問題がある研究や統計が多く、かなり気になりました。
タブレットの問題点は、ほぼすべて何かしらの方法で解決できることばかりで、現状での思考停止で比較すべきではありません。
電磁波がどうのとかの健康被害にしても、同じです。
改善策を提案して、より有意義な活用法を見出してこその、学術研究ではないですか?
『同じ文章を覚えさせる』みたいな比較をするから、怪しげな結果になるのです。
なぜ、タブレットならではの視覚や音響効果を加味した工夫を凝らした教材と、紙での図と文章だけの教材での比較をしないのかと言うことです。
それぞれのベストな環境で効果を、きちんと比較すべきでしょう。
『書く力が育たない(衰える)』という点がデメリットで多く挙がっているようですが、そもそも、今どき、普段から、そんなに書きますか?
むしろ、入力速度の早い方が、少なくとも社会的には重宝されるのでは?
視覚や聴覚に問題のあるお子さんでも、タブレットの機能を最大限に発揮し、教科書に、読み上げ機能を持たせ、骨伝導イヤホン等と組み合わせるなど、紙では絶対にできないことも可能です。
注意してあげないといけない子には、内蔵カメラで見てあげるとか、画面への注視時間をカウントするとか、学習や指導に必要な参考情報を集めるのにも適しています。
もう、比較なんてしている時代ではありません。
全教科書をタブレットで提供
以前にも書きましたが、全教科書や参考書もタブレットで提供。
電子的に、書き込んだり、付箋を付けたり、読み上げたり、フリガナのオンオフとか、機能はいくらでも追加できます。
そのうち、英語に翻訳して読み上げとかの時代も来るかもしれませんね。
無駄に大きなランドセル、要りますかね?
タイガーマスク運動や子ども食堂なども、されている方の志には敬意しかありませんが、そもそもの話としては、本来、存在してはいけない活動でしょう。
小学生の教科書以外の教材も無駄だらけで、麻雀の点棒のような、数え棒とやらがありますが、ほぼ使った形跡もないのに、購入し全部の棒に名前を付けないといけないとか、理不尽な話です。
失礼を承知で書きますが、先生方が黒板に一生懸命書いてくださるのは、ありがたいのですが、書き終えるのを待つだけ時間の無駄です。
先生方が事前に準備された教科書の補足情報を、一瞬で転送して、それを口頭解説するなりしてくだされば、時間効率は圧倒的に高まります。
各担当クラスで書かなくてもよいわけですし。
テストもタブレットで採点集計も自動。
それぞれのお子さんの教科内での苦手な分野もより明確になり、ケアしやすくなります。
知り合いに中学校教師がいましたが、自宅で夜中まで採点のために作業をしていたようです。
今でこそ、資料の持ち帰りは厳しくなっているようですが。
先生方の負担軽減もしてあげなければ、人材不足もますます深刻になってしまいます。
教科書データの永久ストック
個人的に、過去の教科書のデータって、その個人は永遠に見られるようにしておければと思います。
無理を言うなら、今の大人たちにも。
いつでも、どんな時でも、過去にさかのぼって教科書か読めるようにしておくのは実はかなり需要なことだと思っています。
スペース的なこともあり、紙の教科書を小学生からずっと保存しているご家庭は多くないと思います。
毎年捨ててるかも?
データでいつまでも読み返せるようにしましょう。
教科書データのアップデート
もうひとつ。
記載内容のアップデートにも対応してほしいものです。
1192年の『イイクニ作ろう鎌倉幕府』も、いま習うと違うそうですね。
変更履歴ページも付けてください。
自分が学習した時の内容は、必ずしも事実とは限らないとの認識は重要ですね。
余談ですが、医療関係の知人に聞いた話です。
母と姉のどちらも看護士さんの男性がケガをして出血した時、消毒をするかしないかで、母と娘のケンカが始まったそうです。
そのケガした彼は、『どっちでもいいから、早く手当てして!』と。
私も何年か前に大きな手術をしたことがありましたが、その大病院では手術痕の傷口は消毒はせず水で、流すだけでした。(湿潤療法)
その昔は、赤チンだ、マキロンだ、オキシドールだとか言ってたのに、意外でした。
情報も知識も最新の研究結果を活かし、間違いとされたことはどんどんアップデートさせれば良いだけの話で、それには紙媒体より、通信機能とデジタル化はより適しているのですから、率先して採用しましょう。
修正履歴と、その根拠の情報へのリンクなどもタブレットなら付けられますね。
ChatGPTとの付き合い方
ChatGPTに話を戻すと、これも使い方を幼少の頃から正しく教えればよいだけなのですが、こういうことに対して、教育者のみなさんは、あまり試行錯誤しないというか検討していない気がします。
あれこれ忙しすぎて、それどころではないのは理解していますので、責めているわけではないです。
なんでも聞いてみる
私が教える立場なら、『まずはなんでも、好きなことを聞いてみて』と丸投げします。
『変なことを聞いたら、全部履歴に残るけどね~』とも。
何を最初に検索したか、この時点ですでに、その子たちの嗜好と思考と指向の傾向がつかめます。
検索センスは、これからの社会生活で、最重要と言えるスキルの一つになりますから、最初は自由に慣れさせてあげましょう。
知っていることを聞いてみる
それから、自分の確実に知っていることをわざと聞かせて、回答の正誤を確認させます。
このAIとやらが、すごく正確なのか、間違いを平気で垂れ流すのか。
自分の明らかに知っていることと全く違う回答がくれば、ネットの情報を鵜呑みにする危険性にも気付きます。
『自分で答え合わせできることを調べてみる』
これだけで、ネット情報の理想と現実に理解が及びます。
これは、ChatGPTに限った話ではありませんね。
ChatGPTの捏造力
ChatGPTを使ってみて感じたのが、『この捏造力って何?』です。
『よくもまぁ、こんなにいい加減なことをもっともらしく言うなぁ』と、逆に感心するくらい違うことだらけでした。
最新情報への対応をしていないのはまだしも、少なくとも過去の情報の精度もかなり低いのは困りものです。
捏造例:ワンピース
大人気漫画のONE PIECEは誰もが知っているかと思います。
ChatGPTは情報をまとめるのが得意とか、あらすじを作るのが上手いとか聞いていたので、『ワンピースの頂上戦争前後のあらすじは』と尋ねたところ、それはそれは、とんでもない創作話を聞かせてくれました。
面白がって何日か続けてみましたが、そもそも毎回内容が違うのです。
知っている方は知っているでしょうが、10回以上やっても、『エース』というキーマンの名前は一切出てきませんでした。
多かったのは、ルフィは白ひげの子分で、白ひげは海賊王だという設定でしたね。
もちろん、今だと違うかもしれません。
捏造例:Excel
『Excelの起源は』と聞いた時のことです。
ツラツラといろいろ書き上げた後に、【マイクロソフト社の最初の表計算ソフトです】とのこと。
こちらが、『最初はマルチプランでは』と返すと、【申し訳ありません。間違えました】と素直に謝ってきました。
お詫びして欲しいわけではないのですけどねー。
なんで、わざわざ『最初に~』なんて言うのか不思議でした。
捏造例:店舗情報
近所のお勧めラーメン屋さん5軒を尋ねたら、聞いたこともない店名をでっちあげて、実在の住所地で教えてくれました。
もちろん、その住所に、そんなお店はありません。
また、知っている店のことを直接聞いたら、過去に一度も設定したことのない店休の曜日が返ってきました。
Google検索との使い分け
ChatGPTと、検索の代名詞Googleとの違いとして、一般の人の使い方としては、本来なら、『答えを直接出してくれる』という点につきます。
Googleでは、気になることを検索した後に、そのズラズラと出てきた情報の中から選別しないといけません。
その選別は、自分の判断となり、結果的に、実は間違っているなんてこともあるはずです。
ネット情報は間違いだらけ
そもそも、ネット上の情報は間違いだらけです。
新聞社はともかく、テレビ局は許認可事業であり、ある意味で責任ある立場として最低限の保証がされています。
反面、個人でも好き勝手に書けるネットでは、文章も動画も情報の真偽は保証されていません。
専門家であるはずの士業の方が、完全に間違った問題だらけのアドバイスをしている動画をかなり高頻度で見かけますが、見た方のコメントは、『参考になりました!』とか感謝の言葉が並んでいて、驚きます。
解釈や考え方の違いレベルでの話ではなく、例えば、税理士さんが数字の比較の際に、対象を、片方には考慮して、もう片方には考慮していないとか、それでどっちが損とか得とか、ミスでは済まされない、とんでもない動画をいくつも見ました。
間違い情報をまとめたAIって?
もう一度言います。
Google検索は、正誤無視して列挙するだけ。
ChatGPTは、答え(正解)を出す(はず)。
その正解を出すための情報がネットの集約だったとしたら、玉石混交の間違いだらけの情報を統合しても何も出て来やしません。
それにしても、ワンピースの例でも書きましたが、さすがにあのようなでたらめな内容は、ネットにも誰も書いてはいないでしょう。
それにもかかわらず、捏造と言うか創作をするのは、その原理がわかりづらいです。
現状での正しい認識としては、情報検索ツールとしては使い物にならないと言えます。
そもそも、そういう用途だけを想定していないのは承知していますが、多くの人はその点に期待していることでしょう。
そう考えると、Google検索の速報性はたいしたものだと感心します。
見守る楽しさ
妙なたとえですが、今のChatGPTは、言葉を覚えたてで、思ったことをなんでも口にする幼児のような印象です。
実用ツールとして確立されている部分もあるにせよ、基本的には、まだまだな感じですね。
どんどん成長して、どんどん賢くなっていくのを見守っていく楽しみと捉えています。
さて、今日も、『ワンピースの頂上戦争前後のあらすじ』を聞いて、ひと笑いさせてもらうとしましょうか。