【緩和ケア】モーニングルーティーン
【自宅で緩和ケアを受けることになるまで】の項目ではケアマネージャーの選定や介護認定のお話でしたが、今回は緩和ケアを受けるとどんな日常を過ごすことになるのか、というお話です。
怖いくらい手厚い在宅医療
父が毎日受けていたのは看護師さんの巡回、週に1回担当医の往診。地区ごとに巡回しているから大まかな時間しか決まっていないが、父の場合は午前中に看護師さんに看てもらうことが多かった。
わたしが実家に到着する前に来てくれることも多いので、その日の受診内容は日誌で確認することになる。
病気のオンパレードとなった父に処方されていた薬は便秘薬や胃腸薬、優しい痛み止め…
書き出すとキリがないのだけど、朝食のあとは服薬でお腹いっぱいという状態だった。
その他に点滴、インスリン注射も看護師さんがやってくれる。病院に掛かったことのない父にとって大量の服薬も注射も、それはそれは大仕事だった。
往診の先生が来てくれるときには、自宅でも超音波検査ができた。スマホくらいの端末でお腹の様子が見れてしまうんだから驚きだ。しかも波形のプリントアウトまでしてくれる。うねうねとした波形が描かれた紙切れを渡されて、心の中では毎度『これ見ても、よぅわからんのですわ』と呟いていた。
それからイレギュラーなところで言うと、髭剃り、爪切りといったことも日々の往診の中で対応してくれた。角質が厚くなった老人の爪を切るのは中々に難しい。だからとても助かっていた。
さらに言うと、お腹の調子が悪いとき…父の場合は便秘に悩まされることが多かった。そのため、肛門に指を入れて強制的に便を掻き出すという処置を看護師さんがしてくれた。
うら若き看護師さんに『お尻お願いします』と頼むのが始めのうちは申し訳なかったが、向こうは向こうで『仕事なんでね!』とあっけらかんと笑ってくれるので、次第に頼みやすくなった。ただ、この処置はとても痛いらしい。ガンの痛みはほとんど訴えなかった父が、声に上げて痛がっていたことは記憶に新しい。
まぁ、そんなこんなで緩和ケアの在宅医療はとても手厚い。看護師さんと往診の先生が来てくれる度、本当に頭の下がる思いだった。改めて医療・介護に携わってくれている皆々様に感謝申し上げたい。ありがとうございます!
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。次回は何を書こうかな…??