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百合の詩3-2

 私は髪型の中では、ウルフカットがどうも苦手だ、でも女学校の王子様たらしめるのは、やはりこの髪型が一番と愛読書に書いてあったので渋々髪を切った。私の世間の評価は、”総攻め”らしい。ちゃんとお付き合いする人は選んでるんだけどなぁ。とひとりごちる。先々月たまたま映画館で出会った、
 「こより」という下級生を一目惚れで妹分にしたのだが、それが不服な女子が大勢でデモを起こさんばかりの趨勢があり、少したじろいでいる。案外自分はチキンだったようだ。
そのせいもあってか「お姉様に出会わなければよかった」と、こよりからすでに3度も言われており、いよいよスールの解約を考慮しなければならない自体に陥っている。自分で言うのは何だが、
色々問題あれど、私たちは上手くやっていた方だ。とにかく飯だ。彼女のサンドイッチは別格だ。チーズ、ハム、レタスなどありふれている食材なのに、何かが違う。こよりが言うには、愛情が隠し味だそうだ。料理をしない私には考えも及ばない具材が入っているのかもしれない。後、たまに出すミネストローネも絶品だ。食事は愛の言葉である。うん、私たちはそう言う姉妹なのだが、何故この様な自己紹介的な事を語っているかというと、
今、こよりが私の首をタオルで締めているからであり、一種の走馬灯の様なものなのかもしれない。

 「お姉様、これで4度目の正直です。また下級生に手を出しましたね。前も言ったように年齢を気にし泣けば、私にはバディと言える女性がいると伝えたはずです。本当に出会わなければ良かった。」
はいはい、このパターンは慣れっこです。
「はしたない姉で申し訳有りませんでした。もう二度としません。」これで4度目の嘘。でもこれだけで彼女は安堵して、締めていたタオルを外す。ちょろいちょろい。こういう所が私の悪い所なんだけど。
さて、本題をそろそろ語ろうか、時は満ちた。
「こより、貴女、本命の娘が居ながら、どうして私とスールの契りを交わしたの? ひょっとして私を演出上の噛ませ犬にしていない?」
彼女は小首を傾げ少し考えるような仕草をしている、どうやら私の見当違いのようだ・・・

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